北京で日本食品を使った創作中華料理コンテスト開催

人民網日本語版 2025年03月21日15:21

北京市の在中国日本国大使館・多目的ホールで3月20日、日本の食品を使った中華料理コンテスト「中日融合-新派中餐創意大賽」が開催された。また、日本食品の中華料理業界への販路開拓を目的とした展示会も行われ、食品企業38社が参加した。中国の食品業者やレストラン関係者ら数百人が訪れ、会場は賑わいを見せた。

「中日融合-新派中餐創意大賽」で調理された料理(撮影・勝又あや子)

金杉憲治駐中国大使は挨拶の中で、今回のイベントについて、「中華料理業界と日本の食品関連企業との交流を促進することにより、中華料理の新たな魅力を生み出すことを目的としている。食品や調理技術のうえにおいて、日中両国が協力できることは非常に多いと考えている。今回の企画を通じて、新たなパートナーシップが生まれ、中国の食文化がさらに豊かに発展することを期待している」と述べた。

挨拶する金杉憲治駐中国大使(提供・北京フード会)

■日本の食品と中華料理が出会うと…

今回のコンテストでは、イベントに参加する日系食品企業に対し、コンテストに使ってほしい食品を募集。それをリスト化し、参加希望のあったシェフに食品を選んでもらった。コンテストには、ホテルやレストラン、料理学校などから中華料理のシェフ14人が参加した。

「中日融合-新派中餐創意大賽」に参加したシェフが調理をする様子(撮影・勝又あや子)

使われた食品は、和牛ステーキ、焼肉のたれ、唐揚げ粉、結びしらたき、マヨネーズ、海苔、料理酒、かぼちゃペースト、竜田揚げ粉、ビール、ハム、味醂、豚骨やチキン、牛骨などのスープ類、カレー、抹茶パウダー、高菜漬け、冷凍揚げジャガイモ、ドレッシング、中華麺、大根の漬物などなど……。なかにはヤクルトを使ったものまであり、柔軟な発想が感じられた。

日本の食品を使った創作中華料理の数々(提供・北京フード会)

展示用の料理作品は日本料理向けの食器に盛り付けられ、料理の盛り付けの面でも「中日融合」が表現された。

審査は中国人の中華料理シェフと日本人の日本料理シェフが担当。厳正な審査の結果、北京市勁松職業高中(高等学校)の教師をしている許月さんの酸湯三色魚麺が選ばれた。中国産のイサキの身を練ったものをベースに、ほうれん草と竹炭で着色したものと合わせて三色の麺のように仕立て、酸味のあるスープと合わせた。スープには日本の濃厚チキンスープ、牛骨スープ、かぼちゃペーストが使われている。

優勝した酸湯三色魚麺(提供・北京フード会)

■日本の食品の販路を中華料理業界にも拡大

今回のイベントを主催した北京フード会では、日本大使館や日本貿易振興機構(ジェトロ)、日中経済協会などと協力して、これまでも日本食品をPRするイベントを開催してきた。しかし、これまでのPR先は日本料理レストランやスーパーが主体だった。今回は大きく発想を転換し、ターゲットを中華料理業界に向け、さらなる販路拡大を狙った。

在中国日本国大使館経済部の真島哲弥参事官は、「これまでは、現地の中華料理の人たちに日本の優れた製品を使っていただくことができていなかった」と振り返る。北京フード会の会長を務める食研食品(中国)有限公司の木村誠営業総監も、「北京に進出している日系の食品関係企業は、日本料理関係や日系スーパーを販売チャネルとしているところが多い。今回はそのチャネルを広げて、中国でのさらなる発展を期す狙いがある」と話す。

「中日融合-新派中餐創意大賽」に参加したシェフが料理の盛り付けをする様子(撮影・勝又あや子)

今回のイベントの目玉は、なんといってもコンテストを実施した点だ。真島参事官は「日本の食品を実際にプロの技で使ったらどうなるのかを実感してもらうためのコンテストになっている。『日本のものを使ってこんな面白い味が作れるのか』というふうに、新しい中華料理の良さを引き出せるのではないか」と話す。木村会長も、「中華料理のシェフからは、日本料理関係の食品や調味料に対して、『実際使ってみたら今までの料理がもっと良くなった』という声も聞く。今回は実際に試してもらい、新たな可能性を感じてもらいたい」と期待を込めた。(文/勝又あや子)

「人民網日本語版」2025年3月21日

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