「世界のスーパーマーケット」義烏探訪 試練を前にしても揺るがない中国の貿易
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浙江省義烏市にある「義烏国際商貿城」は「世界のスーパー」と呼ばれ、7万5000店舗が営業し、来客数は1日平均延べ22万人に達する。義烏国際商貿城を通じて、中小貿易企業の発展の脈動に触れ、中国の貿易の強靭さを実感することができる。人民日報が伝えた。
4月中旬、記者が義烏国際商貿城を訪ねると、依然として外国人バイヤーが続々と訪れ、活発に取引が成立していた。多くの貿易企業の経営者らは、「困難を幾度も経験して、すでに市場の変化に適応しており、試練を前にしても、困難より解決策の方が多い」と口々に語った。義烏市場は多元的な輸出構造、強靭なサプライチェーンという特徴を備えており、業者達は一様に、試練に対応して国際貿易を続ける自信を持っている。
義烏税関の最新統計によると、今年第1四半期(1-3月)における義烏市の輸出入総額は1674億5000万元(1元は約19.3円)で、前年同期比で13.0%増加。このうち輸出は1472億7000万元で同14.5%増、輸入は201億8000万元で同3.4%の増加となった。
■「メイド・イン・チャイナ」は硬直的需要に
午後3時、義烏国際商貿城2区5階の店内では、柯南五金工具商行の汪楠社長が昼食も取らず、来店客の対応に追われていた。汪社長によると、今年に入ってから売上は約20%伸びたという。
汪社長の経営する金属製工具卸売店は、各種の手動工具や電動工具を専門に扱い、その品目数は千種類以上に及ぶ。現在、江蘇省丹陽市などの産業拠点にある複数の生産企業と提携し、代理店を通じて世界各地に製品を輸出しており、販売先は100以上の国や地域に及んでいる。
「対米輸出の比率は約10%で、これについては現時点で発送遅延が起きているが、経営全体への影響は大きくない」と汪社長は語る。
また汪社長は、「良い製品さえあれば、新規取引先には事欠かない。ドイツのケルン国際ハードウェアフェアで新規取引先を獲得し、各国政府の調達案件も落札した。当社の国際化は年々進展し、製品の人気も高まっている」とした。
商品カテゴリが豊富で品質に優れ、硬直的需要としての性質も持つ義烏の商品は、210万以上のSKU(Stock Keeping Unit)を誇り、消費財の全チェーンをカバーしている。力強い商品群は、義烏の事業者達の試練に打ち勝つ自信を高めている。
輸出安定化、市場開拓、成約促進。今年、商務部(省)は義烏で全国初となる「良質貿易製品マッチングイベント」を開催。自動車部品、金物、眼鏡、小型家電の4分野から90社以上の良質製品サプライヤー、6社の大手物流企業、そして欧州、東南アジア、中東、アフリカなど重点地域から500社以上の国際バイヤーを招き、供給と需要のマッチング・プラットフォームを構築した。
また、義烏税関によれば、今年第1四半期における義烏の「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設国との輸出入総額は1118億5000万元で、前年同期比11.7%増となり、同期の義烏全体の輸出入総額の66.8%を占めた。また、貿易対象地域別に輸出入額の伸びを見ると、ASEANは16.1%増、EUは16.5%増、アフリカは3.9%増、ラテンアメリカは14.1%増、中東は13.7%増だった。
義烏の事業者達にとって、アジアやアフリカ、ラテンアメリカ地域及び「一帯一路」共同建設諸国は、引き続き旺盛な市場需要があり、貿易相手の範囲を拡大することで、リスクへの抵抗力を強化できる。
税関総署の統計によると、第1四半期に中国の対外協力の範囲はさらに拡大した。中国の「一帯一路」共同建設諸国との輸出入額は5兆2600億元で、前年比2.2%増加。これは全体より0.9ポイント高く、総輸出入額の51.1%を占めた。このうち、ASEAN向けは7.1%、中央アジア5ヶ国向けは6.9%の増加を示した。
税関総署の担当者は「多元的な市場の構築、各方面との産業・サプライチェーン協力の深化は、各国の発展に活力を吹き込んだだけでなく、中国の貿易の強靭性も高めた」と語る。
■国内販売と対外輸出の一体化を推進
義烏博衆文化用品有限公司の何犁紅社長は、2003年に義烏でギフトバッグの輸出ビジネスを開始し、100以上の国と地域向けに販売してきた。5年前、輸出競争が激化する中、何社長は中国国内の大市場に進出し、「国内販売と対外輸出の一体的発展」を推し進めることを決めた。
何社長は、文化的要素を製品デザインの各段階に取り入れ、製品の革新を加速し、性能を向上させた。過去3年間、国内市場における売上高は30%以上の成長を維持している。
かつては対外輸出が100%だったが、現在では国内販売の割合が10%を超えた。何社長は、中国経済の持続的発展に伴い、中国の消費者は生活の質をより重視するようになっており、コストパフォーマンスの高いギフトバッグ市場は今後ますます拡大すると見ている。
初期の対外輸出が「船を借りて海に出る」ものであったとすれば、今日の国内販売と対外輸出の一体的発展は「自分の船で航行する」ものだと言える。この移行において、強大な国内市場が貿易企業の底力となっている。
「我々は揺るぎなく自国のすべきことに集中し、中国の『確実性』によって、外部環境の『不確実性』を打ち消していく」。商務部(省)の責任者は「中国の超大規模市場のポテンシャルが持続的に解き放たれ、経済と貿易の安定化政策が効果をあげる中、中国の貿易は様々なリスクや試練に対処する自信と底力をつけている」と語る。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年4月22日
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