第7回「日中未来創発フォーラム」が北京で開催

人民網日本語版 2025年05月15日14:13

北京で開催された第7回「日中未来創発フォーラム」の様子(撮影・許可)。

北京で開催された第7回「日中未来創発フォーラム」の様子(撮影・許可)。

第7回「日中未来創発フォーラム」が5月10日と11日に北京で開催され、中日の大学生約80人が、「文化」、「教育」、「暮らし」をテーマに、専門家の講義やフィールドワーク、チーム別ディスカッションなどを通して、じっくりと交流し、相手国の社会や文化に対する認識と視野を広げ、熱意ある誠実な姿勢で、中日友好の架け橋を共に築き、両国の友好の伝統のバトンを繋いだ。人民網が伝えた。

景山公園でフィールドワークを行う中日の大学生(撮影・許可)。

景山公園でフィールドワークを行う中日の大学生(撮影・許可)。

5月10日午前、中国人民大学の唐丹教授や、科大訊飛(アイフライテック)高等教育研究院の研究者・熊斌氏、北京設計之都発展有限公司ブランドセンターの顧問・張大平氏、北京語言大学の教員・西田聡氏らがゲストとして、「未来のスマート高齢者ケア・介護」、「AI技術・未来の教と学」、「世界遺産北京中軸線の未来」などをテーマに、講義を行った。10日午後、両国の大学生は3チームに分かれて、人工知能(AI)企業・科大訊飛や高齢者向けマンション・国投健康長者公寓、景山公園などに足を運び、フィールドワークを実施した。

フォーラムの様子(撮影・許可)。

フォーラムの様子(撮影・許可)。

チーム別ディスカッションの様子(撮影・許可)。

チーム別ディスカッションの様子(撮影・許可)。

中日の大学生は5月11日、「スマート高齢者ケア・介護」や「AIの教育の分野における応用」、「中日の結婚・恋愛観」、「文化遺産」などをテーマにディスカッションを行ったほか、大きな模造紙にイラストや文字をたくさん書き込んだ資料を使って発表を行った。大学生たちは、「中日両国が直面している少子高齢化という社会問題について」や「両国の若者に存在する晩婚や未婚化の傾向」、「AIを幅広く応用できる教育の分野とは?」などをテーマに、自分たちの考えを活発に発表し、それぞれの国の社会、生活、文化に関して積極的に意見を交換した。

チームに分かれてディスカッションの成果を発表する中日の大学生(撮影・許可)。

チームに分かれてディスカッションの成果を発表する中日の大学生(撮影・許可)。

11日午後の閉会式では、中国人民大学党委員会の張東剛書記が、「中日友好の基礎は民間にあり、未来は青年が担っている。世界の青年は今、文化を伝承し、人類に益を及ぼし、世界の発展を促進するという神聖な使命を担っている。世界の将来の平和と発展の原動力はイノベーションであり、その主体は青年だ。中日の青年が互いに学び合い、成長し、手を携えて素晴らしい未来を切り開くパイオニアとなり、両国の友好と協力をさらなる高みへと押し上げ、人類運命共同体構築のためにさらに多大な貢献を果たすことを願っている」と、熱い思いを込めたメッセージを大学生たちに送った。

挨拶する中国人民大学党委員会の張東剛書記(撮影・許可)。

挨拶する中国人民大学党委員会の張東剛書記(撮影・許可)。

公益財団法人日本財団の尾形武寿理事長は、「日中交流は悠久の歴史を誇り、両国は一衣帯水の隣国。時には摩擦もあるが、民間交流は非常に重要だ。かつての遣唐使は、文化交流にとどまらず、日本が中国の先進文化や技術に学んだ実例でもあり、今でも日本の多くの地域には、中国文化のなごりが残っている。今、私達は歴史の分岐点に立っており、両国の青年が、中国人民大学でフォーラムを実施し、相互理解を深めたことには深い意義がある」と語ったほか、中日交流事業に40年以上携わっている自身の経験を交えながら、青年に対して、互いに相手国を訪問し、自らの体験を通じて、共に両国の友好の未来を切り開くようエールを送った。

挨拶する公益財団法人日本財団の尾形武寿理事長(撮影・許可)。

挨拶する公益財団法人日本財団の尾形武寿理事長(撮影・許可)。

両国の大学生の代表である中国人民大学の呉昀謙さんと、清華大学の日本人留学生・伊藤雪乃さんもそれぞれスピーチを行い、今回のイベントを通して結ばれた絆や、中日関係を改善するために努力する大勢の人々が心を込めて深めた友情が、中日友好のさらに明るい未来を必ず切り開くと確信しているといった内容の発言を行った。

友好の象徴である桜の木を植える主催者代表と両国の大学生(撮影・許可)。

友好の象徴である桜の木を植える主催者代表と両国の大学生(撮影・許可)。

閉会式の後、主催者代表の張書記と尾形理事長が、両国の大学生らと共に、中日友好という木が青々と茂り、友好の花が咲き誇ることを願って、中国人民大学通州キャンパスの双桜園に中日友好を象徴する桜の木を植えた。

記念写真を撮影するゲストと中日の大学生(撮影・許可)。

記念写真を撮影するゲストと中日の大学生(撮影・許可)。

科大訊飛で行われたフィールドワークに参加した日本の慶応義塾大学3年生・岡本璃央さんは、教育の分野におけるAIの応用が印象深かったとし、「中国のテクノロジーは急速に発展していると聞いてはいたが、実際にそれを体験して、とても驚いた。このような民間交流・イベントは、両国の若者が相手の考え方を理解し、未来の日中関係について考える良い機会となる」とした。父親の影響で、中国社会に高い関心を持っているとした岡本さんは、中国に留学して、中国語を勉強したいと考えているとし、「将来は日中関係に関連した仕事をしたい」のだという。

北京大学に留学中の塚原壮亮さんは、「今回、中国の介護施設を訪問したほか、中国の大学生と交流することで、中国の介護施設の実状を知ることができた。また、日本の関係する問題を伝えることもできた。今回のイベントは、中国の日常生活を理解する貴重な機会となり、日中青年間の交流を促進し、両国の若者が互いに学び合い、共に将来直面するであろう課題について考えることができた」と語った。

中国人民大学2年生・姚熠羲さんは、日本の大学生と共に景山公園といった文化史跡を訪問し、中国文化を紹介したり、交流したりし、「とても楽しく有意義だった」と話す。そして、以前に在中国日本大使館が開催したイベントで、一度会っただけの日本人学生と再会し、ルームメイトになった不思議な縁を紹介し、「青年交流イベントにより、両国の国民の間にある誤解を解き、親睦を深めることができる。それは、私が日本語を勉強したいと思った理由とも一致している。今後は、両国の友好の役に立つことをしたい」と語った。

2022年から始まった「日中未来創発フォーラム」は、中日の青年間の交流や対話を通して理解を深め、さらに安定した両国関係をいかに築くかを考えることを目的としている。第7回「日中未来創発フォーラム」は中国人民大学、笹川和平財団が主催し、日本科学協会、日中関係学会の協力を得て開催された。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年5月15日

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