ファンタジックな山西省の「デザート王国」

人民網日本語版 2025年06月20日16:41

山西省晋城市管轄下の高平市にある高平経済技術開発区・三甲工業パークの「デザートタウン」に足を踏み入れると、ファンタジックなデザート王国に紛れ込んだような気分になる。人民網が伝えた。

「衆禾壹心集団」を中心とする産業クラスターには、甘い香りが漂う工場があり、欧州から輸入した生産ライン11本が並ぶガラス張りの作業場では、卵液がミキサーで撹拌されて、黄色い菓子用の生地になり、ロボットアームがマカロンに、カラフルなデコレーションを施すなど、近未来感が漂っている。そして焼きあがったばかりのドリアンクレープケーキはまだほんのりと温かく、パーク内に甘い香りを漂わせている。

衆禾壹心集団・生産パークに設置されているマカロンのオブジェ(撮影・馬夢迪)。

衆禾壹心集団・生産パークに設置されているマカロンのオブジェ(撮影・馬夢迪)。

衆禾壹心集団の創業者である鄒宝華董事長は、「半熟チーズケーキは昨年、1億個売れた。マカロンも今年、すでに1億個以上売れている。ムサンキングのドリアンクレープケーキの生産量は1日当たり15万個であるものの、まだ足りていない。当社は中国全土の454都市に販売代理店があり、クライアント3万社以上と長期にわたって安定した提携関係を築いている」とした。

2018年に設立された衆禾壹心が、これほど短期間で、これほどの成長を遂げることができたのはなぜなのだろうか?鄒董事長は、「当社は業界において、先頭を切ってデザートの『冷凍』技術を導入した。端的に言えば、それは、小麦粉と生クリームの鮮度を落とさない技術で、解凍すると、出来立てと同じおいしさのデザートを楽しむことができる」と胸を張る。

衆禾壹心は2024年に産業高度化を実施し、高平経済技術開発区三甲工業パークにおいて、全自動化の生産ライン11本が並ぶデザートのスーパー工場を稼働させた。スマートデジタル化生産作業場と、10万級のクリーン作業場では、1日当たり300万個の冷凍デザートが生産されている。

勢い良く成長すると同時に、衆禾壹心は1300人以上の雇用を創出している。鄒董事長は、「デザートは、道路のコールドチェーンを通して、各地に輸送されるため、周辺の村民396人が、自分で車を購入して輸送チームに加入している。雇用の問題が解決されているだけでなく、専用輸送を通して、デザートを最速で送り届けている」と説明する。

作業場で商品を箱詰めする作業員(撮影・馬夢迪)。

作業場で商品を箱詰めする作業員(撮影・馬夢迪)。

衆禾壹心が急速に発展し、高平市のデザート産業クラスターの発展が牽引され、社会資本が産業プロジェクトに集まるようになっている。そして、デザート関連の産業チェーンが生み出されている。

川上では、小麦、トウモロコシ、果物、野菜、乳牛、卵といった原材料を供給する拠点ができている。

川中では、冷凍や常温、ベーキング系の細分化されたデザート企業が入居するようになっている。

川下では、展覧・展示、テーマ別の商業、ホテル、スマート倉庫、研究開発・オフィス、検査、パッケージングといった機能が一体となったデザートの世界総合サービスセンターが作り出されている。

高平市は現在、1000ムー(1ムーは約6.7アール)、生産高200億元(1元は約20.2円)、1万人雇用創出、デザート用の卵を産むニワトリ2000万羽という「1212」発展目標達成を目指して、「衆禾壹心」を中心に、完全な産業チェーンがあり、競争力が高いデザートタウン構築に取り組んでいる。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年6月20日

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