化学繊維においては、世界の年間使用量の70%以上を中国産が占めている。
かつて、化学繊維を細くしていけば、天然シルクに匹敵するのではないかと推測されていた。その結果、繊維の極細化競争が化学繊維業界全体を席巻した。
まず、2000年前後に日本が0.3デニールのマイクロファイバーを開発したことを発表した。0.3デニールというのは、長さ1万メートルで重さが0.3グラムということだ。当時は、これが工業紡績技術の上限であり、世界でこの記録が破られることはないだろうと考えられていた。
しかし、それから間もなくして、中国は0.15デニールのマイクロファイバーを作り、細さを半分にした。そして今、中国人は自らが保持していた世界記録を更新した。
0.05デニールのマイクロファイバーを作り出したのは、中国人エンジニアの辺樹昌氏だ。0.05デニールというのは、髪の毛の50分の1に近い繊維をさらに3分割した細さということだ。この極細繊維には、「シー・アイランド・ファイバー」という美しい名前もついている。
化学繊維の歴史はわずか130年にすぎないが、中国は天然の綿や麻などを凌駕する人工繊維を生み出した。
「シー・アイランド・ファイバー」を布にすると、その性能は天然のスエードよりも優れ、きめ細かな防水効果を持つ優れた生地となり、精密機器を拭く際の布として多用されている。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年7月20日