天然ガス輸送の「西気東輸」第4ルートが全線稼働開始

人民網日本語版 2025年06月27日13:23

中国の国家石油天然ガス管網集団有限公司は26日、中国の西部地域や中央アジア諸国で産出される天然ガスを、中国の東部地域に輸送する西気東輸(ガスパイプライン)のうち、新疆維吾爾(ウイグル)自治区吐魯番(トルファン)市と寧夏回族自治区中衛を結ぶ第4ルートの甘粛省酒泉市瓜州県-中衛市区間の天然ガス輸送が先頃始まったことを発表した。これで、「西気東輸」の第4ルートが全線稼働開始し、天然ガス輸送が始まったことになり、中国が世界の石油・天然ガス資源の配置効率を高め、市場開放におけるエネルギーの安全を確保し、新時代のグリーンなエネルギーのシルクロードを共同建設するうえで、重要な戦略的意義がある。新華社が伝えた。

「西気東輸」の第4ルートは、第1ルート、第2ルート、第3ルートに続く、中央アジアと中国を結ぶ新たなエネルギー戦略の大動脈だ。稼働後の年間輸送能力は150億立方メートルに達し、標準石炭換算で約2700万トン以上の代替が可能となり、二酸化炭素など温室効果ガスの排出を約5000万トン削減できる。「西気東輸」パイプラインシステムを通じた、天然ガスの年間輸送能力は「1000億立方メートル」に達し、中国国土の3分の1をカバーするエネルギーの戦略的構想が実現し、5億人近くが恩恵を受けることとなる。

「西気東輸」第4ルートは、新疆の烏恰(ウルグチャト)県伊爾克什坦(イルケシタム)を起点に、輪南(ルンナン)、吐魯番を経由して、中衛市に至る。ゴビ砂漠や荒野、高原といった、様々な地形と極端な気候帯を通っており、中国で建設の難度が最も高い長距離パイプラインの一つとなった。

第4ルートには、初めて18メートルの長尺パイプが大規模に応用され、厚さ33ミリの大肉厚・高変形鋼管が研究開発され、活断層帯を横断するパイプの応力・ひずみ監視技術、全自動化溶接技術、デジタル放射線検査技術が全面的に活用され、安全・スマート・高効率なエネルギー大動脈が構築された。

全線稼働開始した「西気東輸」の第4ルートは、第2ルートや第3ルートと並行して稼働し、中国の西北地域のエネルギールートが一層強化されたことになる。これにより、中国の単位時間当たりの天然ガス輸送能力は4000立方メートルを超え、パイプライン網の天然ガス輸送の信頼性と柔軟性が効果的に増強され、さらに多くの中央アジアの天然ガスや新疆の塔里木(タリム)盆地で生産された天然ガス、新疆の石炭ガス化ガスを渤海周辺、中部地域、東南沿海地域へと供給されることで、地域のエネルギー構造の最適化、大気環境の改善、沿線地域の経済・社会の質の高い発展を強力に促進することになる。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年6月27日

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