年間1000億個突破が35日早まる 宅配便の急発展が示すものは?
7月9日、広東省中山市から江蘇省常州市宛てに発送された家庭用エアコンが、中国における今年1000億個目の宅配便となった。中国の年間宅配便取扱個数は5年連続で1000億個を突破した。
中国の宅配便は2021年から「1000億個時代」に突入。1000億個に達するまでの所要日数は年々短縮されてきた。2022年は前年より7日早く達成し、2023年は前年より39日早く達成し、2024年は前年より71日早く達成した。今年もその勢いは弱まらず、急増傾向が続き、前年より35日早く1000億個に達した。
小さな宅配便は、生産と消費の両端をつなぐ経済運営の「毛細血管」と言える。宅配便1000億個突破の加速という現象から、中国経済の力強い鼓動を感じ取ることができる。
■ 超巨大市場、満ち溢れる潜在力
今年の1000億個目の宅配便は、買い替え促進政策の対象となる家庭用エアコンだった。新製品を届けて旧製品を回収し、配送と同時に設置も行う。ネット通販業者と宅配業者が連携し、効率性と利便性の高い一体化したサービスシステムを構築し、買い替えのスピードアップを後押ししている。
自動車の電動化、家電のスマート化、住宅設備のリニューアルなど、今年に入ってから消費財の買い替えが拡大し、超巨大市場の潜在需要が顕在化している同時に、宅配市場にも新たな成長エネルギーを注ぎ込んでいる。
■さらに成熟する物流ネットワーク
過去5年間の「1000億個目」の宅配便を整理すると、江蘇省常熟市の工場から発送されたダウンジャケットは「工場から直送」の広がりを、新疆維吾爾(ウイグル)自治区昌吉市に送られたミキサーは「農村への配達」の深まりを、南方エリアから北方エリアへ運ばれた家庭用エアコンは消費市場における宅配サービスの力強さを浮き彫りにしている。東西南北を行き交う一つ一つの荷物は、目盛りを刻むかのように、中国の宅配業界の成長の節目を刻んできた。
現代的流通システムの重要な一翼を担う郵便・宅配業界は、情報・資金・モノの3つの流れの統合という優位性を備えている。新時代に入り、中国では、全国をカバーし、農村にまで深く浸透し、世界中に通じる宅配サービス網がほぼ整った。日々成熟度を増すこの物流ネットワークは、消費規模のたゆまぬ拡大を効果的に支えている。
■新技術を絶えず採用
宅配便取扱個数が190日で1000億個に達したということは、平均して毎秒6000個以上の宅配便が発送されていることだ。これほど大きな規模と速いスピード、宅配便の量的増加と質的向上を同時に実現するには、新技術による支えが不可欠だ。
AI基盤モデルは、倉庫管理からラストワンマイル配送までの全工程でスマート化・高度化の推進をサポートし、企業のコスト削減と効率向上を後押しする。無人技術は倉庫・輸送・配達の各工程で大活躍し、宅配サービスの効率と対応速度を大幅に高める。省エネ・脱炭素技術による施設・設備の改修は、包装材の再利用・軽量化のレベルを高める。このように、5G、IoT(モノのインターネット)、AIといった技術の広範な応用は、郵便・宅配業界のデジタル・トランスフォーメーションを加速し、生産・分配・流通・消費の各段階における各種要素の効率的な移動・循環を促進している。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年7月18日
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