艦載戦闘機「殲-15T」、異なる空母間の運用が可能に 中国空母艦隊の作戦に新局面

人民網日本語版 2025年08月04日15:45

殲-15Tは中国が開発した単座・重型の艦載戦闘機であり、空母艦隊における中核的兵器である。カタパルト発艦能力を強化し、着艦装置の耐衝撃性能を高めるため、殲-15Tは降着装置を重点的に補強しており、燃料満載・フル兵装状態でのカタパルト発進が可能だ。また、武器システムを最適化しており、各種の新型ミサイルを搭載できる。中央テレビニュースが伝えた。

■カタパルト発進のために生まれた殲-15Tの最先端技術

空軍特級パイロットであり、殲-15初飛行の試験パイロットを務めた李国恩氏によれば、従来の殲-15と比較すると、殲-15Tの特徴は「カタパルト対応」にある。空母での離着艦により適応するため、降着装置にカタパルト発進用のバーを増設したほか、構造全体の強度も向上。支柱の直径を20%太くし、主脚は二輪式を採用。これにより着艦時のタイヤと甲板との間の圧力を均等に分散し、甲板の摩耗を低減することができる。

■「スキージャンプ・カタパルト両対応」がもたらす戦術的価値と戦略的意義

軍事評論家の張軍社氏は、殲-15Tがスキージャンプ方式とカタパルト方式の両方に対応していることは、非常に重要な戦術的価値と戦略的意義を有すると指摘する。

まず、戦術面では、スキージャンプとカタパルトの両方に対応することで、殲-15Tはタイプの異なる空母への配備が可能となる。つまり、スキージャンプ型空母である「遼寧」「山東」と、カタパルト型空母である「福建」との間で柔軟な運用ができる。戦時において、いずれかの空母が損傷を受けた場合でも、他の空母が速やかに殲-15Tの艦載戦闘機部隊を受け入れ、空母艦隊の海上における作戦持続能力を維持することができ、空母艦隊の体系的な作戦能力が高まる。

次に、戦略面では、殲-15Tはカタパルト発進により、燃料満載・フル兵装状態で離艦できるため、作戦半径が広がり、搭載兵装も増加し、ミサイルの射程も伸びる。これにより、空母艦隊は本土から遠く離れた遠洋で作戦を遂行し、海上防衛作戦の縦深性を高め、敵を領土外で迎撃できるようになる。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年8月4日

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