世界で人気集めるぬいぐるみの「着せ替え用の服」、中国に注文殺到
アートトイ市場の規模が拡大し続けるにつれて、ぬいぐるみの関連商品である「着せ替え用の服」が今、ぬいぐるみファンの間で人気を集めつつある。ソーシャルメディアを見ると、若者はLABUBU(ラブブ)を始めとするアートトイに、オシャレな服を着せた画像を次々とアップしている。「着せ替え用の服」には、スタンダードバージョンや高級なオーダーメイドバージョン、近代的でファッショナブルなバージョン、伝統的な無形文化遺産バージョンなどがあり、バラエティに富んでいる。
服をコーディネートし、エクステやティースジュエリーで飾り、ネイルを施すなど、LABUBUを代表格とするアートトイが今、その関連商品へと派生ブームを起こしている。そして、「着せ替え用の服」という新たな競争の場も注目を集めている。
浙江省海寧市のある繊維製品生産工場に足を運ぶと、「着せ替え用の服」の生地が生産されていた。宋錦や羅といった中国の伝統文化を取り入れた「国風」の生地がメインで、それら生地は各ステップを経て、LABUBUファミリーの素敵な服へと仕上げられていた。
同社の胡鳴一総経理は、「これらの『着せ替え用の服』に使われているのは国家級無形文化遺産に指定されている服の生地で、一人でも多くの若者に伝統文化について理解を深めてもらい、伝統文化をさらに良い形で海外に発信するために、主に、伝統的な服と生地をトレンドと組み合わせている」と説明する。
1着の「着せ替え用の服」を作るために要する時間は、そのデザインの複雑さによって異なり、20分から3時間となっている。値段もデザインによって異なり、十数元から約100元まである。
あるECプラットフォームのデータによると、2024年における「着せ替え用の服」の売上高は前年比で117.08%増に達した。今年は5月の売上高が激増し、1千万元(元は約20.6円)以上に達している。
中国社会科学院の財経戦略研究院の研究者である中国市場学会の李勇堅副会長は、「今の消費はすでに、『自分を喜ばせる』ためのエモ消費に変わっており、消費者の二次創作の幅が広がっている。ぬいぐるみのメディカルコスメや着せ替え用の服など、関連商品の市場が急速に伸びており、二次創作により、世界に一つだけのぬいぐるみが出来上がる」と分析する。
「世界のスーパー」と呼ばれる浙江省義烏市の「着せ替え用の服」メーカーには今海外からの注文が殺到しており、南米や北米、日本、韓国からの注文は倍増している。そのため、メーカーは生産を急ピッチで進めている。世界最大規模の日用雑貨などの商品集積地「義烏国際商貿城」で店を経営する楊金花さんは、「『着せ替え用の服』の売上高はここ数ヶ月急速に伸びている。東南アジアや日本、韓国では3倍以上増えており、従業員を2倍に増やした」と話す。
データによると、世界のアートトイ市場の規模は2020年の203億ドル(1ドルは約147.1円)から、2024年には418億ドルにまで拡大した。その期間の複合年間成長率(CAGR)は19.8%で、市場の規模は今年、520億ドルにまで拡大する見込みだ。世界のアートトイ産業が急速に発展しているのを背景に、「着せ替え用の服」の輸出もさらに拡大すると期待が高まっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年8月26日
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