中国の宇宙ステーション、宇宙生命科学の軌道上実験を完了

人民網日本語版 2025年08月27日14:12

宇宙貨物船「天舟9号」が7月15日、23の科学実験物資を搭載して中国の宇宙ステーションに向かい、軌道上での実験を開始した。1カ月余りにわたり、3つの宇宙生命科学実験がすべての軌道上実験を完了した。科技日報が伝えた。

骨格筋前駆細胞、肝細胞、脳オルガノイドチップなどを含む3つの生命科学実験プロジェクトが、自動培養、軌道上投薬、顕微イメージング、試料固定といった一連の操作を成功裏に実現した。現在、宇宙飛行士の協力の下で軌道上でのサンプリングと試料保存が完了し、試料は軌道上で低温保存されている。これらの試料は今年下半期に有人宇宙船で地上に帰還し、後続の研究が行われる予定であることが25日、中国科学院宇宙応用工学・技術センターへの取材で分かった。

最新の軌道上実験の結果、宇宙の微小重力環境では細胞による核酸医薬の取り込み効率が顕著に向上し、疾患関連タンパク質の発現レベルが急速に低下する傾向が見られ、治療効果が地上環境での対照実験を大きく上回ることが明らかになった。

「微小重力環境下における核酸脂質ナノキャリアの生物学的機能研究」の初期成果は、核酸医薬が宇宙において潜在的な応用価値を持つことを物語っている。これは、微小重力環境が地上では効果が限定的な疾患に対する新たな生物学的介入手段や薬剤を探索する上で、理想的な実験条件となり得ることを意味している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年8月27日

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