中国の宇宙ステーション、新たな生命体「プラナリア」を迎える

人民網日本語版 2025年03月24日13:41

今後、中国の宇宙ステーションは、新たな生命体である「プラナリア」(ウズムシ)を迎え、宇宙科学実験に参加させる予定であることが、中国科学院宇宙応用工学・技術センターへの取材で分かった。中央テレビニュースが伝えた。

プラナリアは極めて高い再生能力を持つ扁形動物で、その生命史は5億2000万年を超えており、生物学研究において広く利用される実験動物の一種だ。その組織修復能力は驚異的で、真っ二つに切断されても両側から新しい筋肉、皮膚、腸、さらには完全な脳を再生できる上、このような再生過程は無制限に繰り返される。

プラナリアの研究は、ヒトの細胞のアンチエイジングの研究などに対して重要な意義を持つ。今後、中国の宇宙ステーションは「生命生態実験キャビネット」内の「小型汎用生物培養モジュール」を利用し、プラナリアの再生形態の発生や生理的行動に対する宇宙環境の具体的な影響を研究する。さらに、宇宙環境がプラナリア再生に影響を及ぼす分子的基盤を模索し、再生メカニズムに関する理解を深める。

これまでに中国の宇宙ステーションでは、ゼブラフィッシュとショウジョウバエという2種類のモデル動物を用いた宇宙科学実験が行われていた。

ゼブラフィッシュは小型の熱帯淡水魚で、そのゲノムはヒトゲノムと70%以上の類似性があり、生命科学、健康科学、環境科学の研究における重要なモデル動物だ。有人宇宙船「神舟18号」は2024年4月に4匹のゼブラフィッシュと4グラムの金魚藻を中国の宇宙ステーションに運び、軌道上での実験を実施した。科学研究者はゼブラフィッシュを通じ、脊椎動物の筋肉と骨のタンパク質への微小重力の影響を重点的に研究した。

ショウジョウバエは成熟した安定的なモデル動物で、その研究の歴史は100年以上に及ぶ。ショウジョウバエは2024年11月に宇宙貨物船「天舟8号」とともに中国の宇宙ステーションへ輸送された。科学研究者は実験を通じ、宇宙の微小重力と低磁場環境におけるショウジョウバエの成長・発育、運動特性、生体リズムを理解するとともに、地上環境との比較により宇宙環境の生物への影響を明らかにすることができ、将来の月面・火星探査に向けた理論的基盤を提供する。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年3月24日

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