23点の科学実験物資、「天舟9号」と共に宇宙ステーションへ
宇宙貨物船「天舟9号」が7月15日、文昌宇宙発射場において打ち上げに成功した。今回のミッションにおいて中国宇宙ステーション宇宙応用システムに輸送される物資の総重量は776.5キログラムに達する。その主な内容は、宇宙ステーションの3つのモジュール内で実施される科学実験に関わる実験ペイロード、実験ユニット、実験サンプル、そして重要な予備部品や消耗物資などであることが、中国科学院宇宙応用工学・技術センターへの取材で分かった。中国新聞網が伝えた。
今回のミッションには、宇宙生命科学・バイオテクノロジー、宇宙材料科学、微小重力下における流体物理と燃焼科学等の分野における科学実験計23項目が含まれており、研究開発機関としては10の研究所と11の大学が参加している。このうち3件の生命科学実験プロジェクトにおいては、文昌宇宙発射場でのサンプル調製および打ち上げ直前の設置作業が必要であり、対象となる実験サンプルには骨格筋前駆細胞、肝細胞、脳オルガノイドチップなどが含まれている。
宇宙生命科学・バイオテクノロジーの分野では、研究者は実験モジュール「問天」に搭載されたバイオテクノロジー実験ラックを用いて、臓器チップ技術に基づく宇宙環境がヒト血液脳関門に及ぼす影響の研究、微小重力環境が骨格筋前駆細胞の遊走に及ぼす影響およびそのメカニズムの研究、そして微小重力下における核酸脂質ナノキャリアの生物学的機能に関する研究などを実施する予定だ。上記の3件のプロジェクトはそれぞれ、宇宙の微小重力環境がヒト脳オルガノイドの構造・機能に与える影響とそのメカニズム、骨格筋前駆細胞の遊走挙動、核酸脂質ナノ医薬品の細胞内輸送における法則とメカニズムの解明を主たる研究目的としており、生体の生理・病理に対する理解を深化させ、人類の健康維持に対する基盤的支援を提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年7月16日
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