中国初の無人ブレード加工工場を訪ねて

人民網日本語版 2025年09月10日10:21

工場内で自分よりも何倍も大きい加工待ちの材料を運ぶ無人搬送車(AGV、撮影・張越)。

工場内で自分よりも何倍も大きい加工待ちの材料を運ぶ無人搬送車(AGV、撮影・張越)。

四川省徳陽市にある中国初の無人ブレード加工工場と、同じく初となるダークファクトリーに足を踏み入れると、人影はほとんどなく、電気機械が稼働する低い音だけが響いており、何かを生産しているのか、していないのかよく分からない不思議なムードが漂っていた。人民網が伝えた。

東方電気集団東方汽輪機有限公司のブレードを生産するダークファクトリーの付入明グループ長は取材に対して、「当工場には、従来の意味における作業員はおらず、オペレーターしかいない。プログラムを設定しておけば、夜にライトを付けなくても、生産ラインは通常通り稼働している。原材料の加工から完成品に至るまで、工場の生産や保管、輸送、検査など全てのステップにおいて、作業員はいらず、スマートロボットまたは自動化設備が、ソフトウェアシステムが事前に設定したタスクに基づいて、自動でこなしてくれる」と説明する。

重型ガスタービンは設備製造業において「王冠に輝く宝石」と称されており、その基幹核心部品となっているのがコンプレッサーのブレードだ。コンプレッサーは空気を圧縮する機械で、それに続く燃焼のステップに、圧縮された高密度空気を提供する。ブレードは高速で回転しながら、少しずつ高くなる空気圧や温度に耐えることができなければならず、空気力学的効率や構造強度、材料の性能などのバランスが取れた設計に基づいて、製造する必要がある。

夜間に、整然と並んだキャビネットで作業を続けるロボットアーム(撮影・王波)。

夜間に、整然と並んだキャビネットで作業を続けるロボットアーム(撮影・王波)。

同社のデジタル化・スマート製造部の王琨副部長によると、「海外の技術封鎖に直面し、これまで当社の加工精度は0.05mmにとどまっていた。しかし今ではすっかり変わり、作業員の介入なしで24時間連続の加工が可能なほか、ミリ秒単位の高精度の位置を測定し、40秒以内にスマートに加工材料を送り、設備の利用率は90%に達し、労働効率も650%高まり、品質の合格率も99%に達している。こうした驚異的な数字は、当工場において更新され続けている。5G、インダストリアル・インターネット、デジタルツイン、マシンビジョンといった先進デジタル技術も、ブレードダークファクトリーにおいて幅広く応用されている」と説明する。

そして、「独自の難関攻略を通して、当工場の精度は0.03-0.015mmに達しており、世界的に見ても、最先端となっている。デジタル化・スマート化へのモデル転換によりもたらされた変化が際立つようになっている。無人工場とダークファクトリーでは、海外技術の独占状態を打破し、中国のハイエンドエネルギー設備製造に、独自の選択肢ができた」と胸を張っている。 (編集KN)

「人民網日本語版」2025年9月10日

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