アパレルECの質の高い発展の道を歩む湖北省天門市 「逆襲」の秘訣は?
中国(天門)アパレルECシティのライブ配信ルームでは、江紫芳さんがパーソナリティを努めており、その後ろのスクリーンでは、注文数がリアルタイムで表示されている。その隣のアパレル企業「莱依窕服飾」の工場では、自動梱包機が勢いよく稼働している。そして、梱包された服がトラックに積み込まれて、中国各地へと輸送されている。
湖北省天門市出身者30万人が、広東省に出稼ぎに行き、アパレル関連の工場で流れ作業をしていた時代から、そのうちの10万人が、技術と経験を携えて、故郷に戻って起業する時代へと変化し、取引額は2021年の70億元(1元は約20.9円)から、2024年には500億元の大台突破するまで増加するなど、天門市のアパレルECはわずか数年の間に、質の高い発展を遂げてきた。では、その「逆襲」の秘訣は何なのだろうか?
1980年代から90年代にかけて、天門市からは約30万人が広東省に出稼ぎに出て、アパレル関連の工場で重要な労働力として活躍していた。その頃、天門市は、「アパレル人材を送り込む都市」だった。
しかし現在、車で天門市の街中を走ると、アパレル関連の工場や店が至る所にあるのを目にすることができる。現時点で、天門市の紡績・アパレル系の経営主体は7000社以上あり、ECプラットフォームに登録されている店舗の数は1万3000店以上に達している。人材が「流出」していた時代から、人材が「戻る」時代へと変化した背後には、的確な「政策」という追い風があり、それに乗った天門出身者が故郷に戻って起業するようになっている。
一人でも多くのアパレル関連の人材に故郷に戻って来てもらおうと、天門市は紡績・アパレル産業を対象とした特別政策4項目17条を相次いで打ち出し、年間2億元の産業基金を計上し、「家賃減免+金融サポート+人材サービス」からなる一連の措置を講じている。まず、工場の家賃は「3年免除、2年は半額」にすることで、企業を立ち上げる時のコストを低減している。また、「天服貸」という特別融資を設置して、企業の融資をめぐる難題を解决するという革新的措置を打ち出した上で、従業員の寮やクラウド型スマート倉庫、ライブ配信拠点などを建設して、起業者が「0」からでもスタートできるようバックアップしている。
「故郷に戻って来てよかった!」というのが、多くの起業者の思いだ。ここ5年間、天門出身者10万人が、顧客、技術、経験を携えて故郷に戻って来た。そして、人材を送り出していた同市は、活力あふれる「起業のホットスポット」となっている。
天門市は今や「アパレルECの都」となり、驚異的なスピードで同産業が成長している。同市では、生地が60秒で服になり、1分でアパレル商品500件が発送され、24時間態勢でライブ配信が行われ、1日に300万点のアパレル商品が販売されている。宅配業務の取扱量は湖北省で上位に入り、女性用アパレル商品の販売量は湖北省でトップに立っている。
「糸と針」で高品質のアパレル商品が生産され、インターネットを通して世界の市場と繋がり、天門市は「アパレルEC」を通して、「逆襲」の道を歩み、内陸都市の産業のキャパシティーとアップデート能力の高さを示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年9月29日
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