中国第42次南極観測隊が上海を出航

人民網日本語版 2025年11月03日13:27

自然資源部(省)が組織する中国第42次南極観測隊が11月1日、上海を出航し、南極へ向かった。今回の観測には「雪竜」号と「雪竜2」号の2隻が共同で支援を行い、国内80以上の機関から計500人余りの隊員が参加。さらにタイ、チリ、ポルトガル、香港特区、澳門(マカオ)特区など10以上の国・地域の研究者も加わり、2026年5月に任務を終えて帰国する予定だ。

中国が独自に開発した「雪豹」6×6輪式車両(撮影・顧天成)。

中国が独自に開発した「雪豹」6×6輪式車両(撮影・顧天成)。

観測隊は主に3つの任務を展開する計画となっている。第一に、秦嶺基地の付帯施設整備とシステム最適化を進め、観測基地の運用支援力と科学研究支援能力をさらに高める。第二に、南極の複数分野にわたる総合的な調査観測を継続的に実施し、地球規模の気候変動における南極の役割についての理解を深める。第三に、重要研究開発プロジェクトや国産技術装備の新たな応用を実施する。

中国極地観測の国内拠点埠頭に停泊する砕氷船「雪竜2」号(撮影・徐鵬航)。

中国極地観測の国内拠点埠頭に停泊する砕氷船「雪竜2」号(撮影・徐鵬航)。

中国は今回、南極内陸の厚さ3000メートルを超える氷床下にある湖を対象に、初の科学掘削試験を行う。国産の熱水ドリルと熱溶融ドリルシステムを使い、清浄な掘削とサンプリングを実施し、隔絶された氷下湖の環境や地質的特徴を探り、極限環境における生命のあり方や地球気候の進化研究に支援を提供する。

2025年11月1日に上海を出航し、南極へ向かった自然資源部が組織する中国第42次南極観測隊。

2025年11月1日に上海を出航し、南極へ向かった自然資源部が組織する中国第42次南極観測隊。

また、中国が独自に開発した「雪豹」6×6輪式車両や、THT550全油圧大出力牽引装置の現地検証を実施するほか、自動観測・衛星リモートセンシング技術や生態観測用ブイ、オキアミのマルチネットワークシステムなど、先進技術の南極観測への新たな応用も進める。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年11月3日

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