中国初の南極秋季合同科学調査が始動

人民網日本語版 2025年03月24日13:30

このほど中国第41次南極観測隊の南極ロス海合同航海調査が始動し、秋季における南極大洋の科学調査を実施する予定だ。中央テレビニュースが伝えた。

3月中旬、観測隊はニュージーランド・リトルトン港での物資補給および隊員交代作業を完了し、正式に南極ロス海合同航海調査を開始したことが、中国第41次南極観測隊が乗船する「雪竜2」号極地科学調査砕氷船での取材で分かった。

現在、「雪竜2」号は再び南極ロス海海域に向かっており、新たに乗船した中国および海外の科学者が大洋科学調査を共同で実施する。これは、中国が南極の秋季において初めて実施する大洋科学調査となる。

中国第41次南極観測隊副隊長兼首席科学者の何剣鋒氏は、「この季節に南極で科学調査を実施する例は国際的にも非常に少なく、特に南極オキアミやその他の鳥類・哺乳類を対象とした生態系全体の視点に立った調査航海は、中国として今回が初の試みだ。また、この調査に対して国際的な科学者の広範な関心が寄せられており、中国がこれまでに実施した南大洋科学調査の中で、最も多くの国が参加する航海となる」と述べた。

同調査に新たに乗船した科学調査隊員は、中国、米国、英国、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、マレーシア、タイの9カ国からの研究者を含む総勢44人を数え、南極ロス海において約1カ月間にわたる海洋の暗黒生態系科学調査を実施する予定だ。

中国第41次南極観測隊南極ロス海合同航海調査隊員で、上海交通大学・米国バージニア海洋研究所教授のウォーカー・スミス氏は、「私の研究は植物プランクトンに関するものであり、ロス海における3月から4月の植物プランクトンの生態はこれまでほとんど研究されてこなかったため、この季節において、それらがまだ活発であるかどうかも分かっていない。この航海調査は、私自身にとっても、他の科学者にとっても極めて貴重な機会になる」と述べた。(編集ES)

「人民網日本語版」2025年3月24日

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