6Gは生産と生活をどのように変えるか

人民網日本語版 2025年11月13日14:23

現在、6G技術の研究開発は重要なブレイクスルー期に入り、世界的な6G技術競争が全面的に繰り広げられ、各国は主要技術の開発を加速させている。IMT-2030推進グループによれば、中国は2025年までに6Gのビジョンと要件に関する研究を完了し、30年に商用展開を実現する計画だ。工人日報が伝えた。

工場では、人型ロボットが生産ラインに立ち、作業員と協働で作業を行っている。ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)技術を活用したスマート・バイオニック義足によって、切断患者が再び立ち上がり、新たな人生へと向かっている。5G-A(5G-Advanced)の商用展開が始まり、高速道路での全シナリオ自動運転など、新たな応用シーンの実現が加速している。第14次五カ年計画(2021~25年)以降、中国の未来産業は多方面でブレイクスルーを遂げ、技術基盤は強化され続け、産業チェーンは日増しに整備され、最先端技術の数々が現実のものとなっている。

11月2日、第15回全国運動会の聖火リレー会場(深セン)では、ひときわ注目を集める特別な「聖火ランナー」の姿があった。それは、世界初の5G-A技術を搭載した人型ロボット「夸父」で、人間のように走り、手を振り、聖火を受け渡す動作がスムーズで、100メートルの聖火リレー任務を無事に完遂したのだ。

中国移動(チャイナモバイル)の関係責任者は取材に、「ロボットによる自律的な聖火リレーの通信基盤として、低遅延・高信頼性という5G-Aの特徴が、聖火リレーの過程でロボットの動作の精確性と連続性を確保した」と語った。

5Gから6Gへの進化における重要な段階として、5G-Aは消費者向け利用から産業での応用へと拡大しており、とりわけAIとの深い融合により、多くの革新的な応用を実現し、各産業のデジタル・トランスフォーメーションに新たな原動力を与えている。例えば、中国移動は「5G-A+低空経済(低空域飛行活動による経済形態)」「5G-A+スマート工場」「5G-A+自動運転」など複数の業界標準モデルを構築し、エンボディドAIや車載ネットワーク(IoV)の大規模な発展を革新的に後押ししている。

専門家によれば、6Gは通信体験において大きな性能向上の余地を持ち、「3つの倍増」と「3つの融合」を実現することになる。「3つの倍増」とは、既存の5Gの既存3大シナリオである通信速度、接続数、高信頼性・低遅延能力の大幅な向上を指し、「3つの融合」とは「通信とセンシングの融合」「通信とAIの融合」「空・宇宙・地上の融合」のことだ。試算では、30年までに中国の6G市場規模は1兆2000億元(1元は約21.8円)を突破する見通しだ。

中国移動通信有限公司研究院の研究では、6G時代の自動運転分野では、車両がリアルタイムに道路状況情報を受信できるだけでなく、「通信とセンシングの融合」技術によって障害物を事前に感知できるようになる。これは車に「予知レーダー」を搭載するようなもので、交通事故の発生を効果的に回避できる。生産分野では、6Gの接続数や高信頼性・低遅延能力の倍増によって、インダストリアル・インターネットの全面的な高度化が進む。産業用ロボットはサプライチェーン管理システムとリアルタイムに連携し、生産需要に応じて生産計画を適時調整し、生産工程を最適化し、生産効率を高めることができる。

このほど中国電信研究院と中国電信北京公司は産業パートナーと連携し、北京市延慶区で業界初となる6G向けマルチステーション・マルチインテリジェント・リコンフィギュラブル・インテリジェント・サーフェス(RIS)のネットワーク試験に成功し、6Gの広域カバレッジとシームレス接続技術の発展に向けた革新的な道筋をつけた。

中国電信研究院は、将来的に経済・社会発展の大局に深く融け込み、6Gコア技術の研究開発をさらに強化し、産業応用の実用化を加速させ、6Gの技術の革新と産業発展に貢献していくとしている。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年11月13日

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