本物そっくり!文化財をリアルに再現したスイーツが話題に

人民網日本語版 2025年11月14日14:11

銅の表面には緑青が生じていて、歴史を感じさせるフクロウの形の酒器「婦好鴞尊」を切ると、中身はなんとフワフワのケーキ。またピンクの温かみのある光沢を帯びる香炉「芙蓉石蟠螭耳盖炉」に鼻を近づけると、フルーティな香りを感じることができる。

ネット上で、ブロガーの「小鄒鄒(ハンドルネーム)」さんと中国の国宝級文化財が一緒に登場する画像や動画を見ても、決して目を疑ってはならない。なぜなら、これらの文化財は本物ではなく、国宝重器を再現した「文化財スイーツ」だからだ。

鄒明磊さんが「ケーキインターナショナル」で銀賞を獲得した作品「曾侯乙編鐘」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんが「ケーキインターナショナル」で銀賞を獲得した作品「曾侯乙編鐘」(写真提供・取材対象者)。

大学でアニメーションを専攻した鄒さんは卒業後、スイーツに興味を持つようになり、スイーツ業界で腰を据えて腕を磨くことを決意した。そして、自分のスイーツスタジオを立ち上げた時には、すでに2018年を迎えていた。その年、鄒さんは英国で開催された世界大会「ケーキインターナショナル」に出場することにしたものの、どんな作品で勝負するかに悩んでいたという。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「婦好鴞尊」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「婦好鴞尊」(写真提供・取材対象者)。

そこで、子供の頃から伝統文化が大好きな鄒さんは、インスピレーションを求めて博物館に行くことにし、そして湖北省博物館で、その代表的な所蔵品である「曾侯乙編鐘」に出会った。そして、数ヶ月後、「曾侯乙編鐘」のケーキを携えて、「ケーキインターナショナル」に出場し、見事に銀賞を獲得。中国の文化財が世界の舞台で異彩を放つことになった。そこから鄒さんは、スイーツで文化財を再現する道を歩み始めた。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「大克鼎」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「大克鼎」(写真提供・取材対象者)。

「文化財100種類の再現」が目標 「文化の『甘み』を感じてほしい」

2024年末から1本目の「スイーツ文化財」の動画を投稿して以来、鄒さんはこれまでにタイプや材質が異なる10種類以上の文化財をスイーツで再現してきた。文化財をチョイスして、資料を収集し、さらに細部を再現するまでに、鄒さんは数百時間をかけるという。しかし、それをわずか2-3分の動画にまとめて投稿している。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「圓明園の巳蛇」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがスイーツで再現した「圓明園の巳蛇」(写真提供・取材対象者)。

鄒さんのソーシャルメディアのアカウントをじっくり見ると、プロフィールや動画のキャプションに「スイーツで文化財100種類の再現にチャレンジ」という言葉を何度も目にする。「『文化財100種類の再現』という目標達成を途中であきらめないようにと、自分に言い聞かせている」とする鄒さんは今、その目標達成に全身全霊を尽くして励んでいる。今のペースでいくと、達成には数年かかるかもしれないものの、その過程においては、ネット上から届く応援のコメントが頑張り続ける励みになっているのだという。(編集KN)

鄒明磊さんがスイーツで再現した三星堆の金箔の仮面を被った青銅人頭像「戴金面罩青銅人頭像」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがスイーツで再現した三星堆の金箔の仮面を被った青銅人頭像「戴金面罩青銅人頭像」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがチョコレートで再現した越の王「勾践」が保有していた名剣「越王勾践剣」(写真提供・取材対象者)。

鄒明磊さんがチョコレートで再現した越の王「勾践」が保有していた名剣「越王勾践剣」(写真提供・取材対象者)。

「人民網日本語版」2025年11月14日

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