中国の炭素排出量の増加率、前年より大幅縮小

人民網日本語版 2025年12月05日09:27

中国気象局は3日に開催した12月の定例記者会見で、「中国温室効果ガス年報(2024年)」を正式に発表した。年報によると、2024年には中国の人為的な二酸化炭素(CO2)排出量が2023年比で約0.6%増加したが、その増加率は23年比で大幅に縮小し、世界全体の0.8%も下回った。これは、中国が二酸化炭素排出量削減の約束を積極的に履行し、実際的な成果を上げたことを示している。「科技日報」が伝えた。

同局の科学技術・気候変動司司長兼国際協力司司長の曽沁氏は、「この年報は14年連続で発表されており、国の気候変動対策と『ダブルカーボン(カーボンピーク・カーボンニュートラル)』戦略に寄与することが狙いだ。また世界気象機関(WMO)が発表する世界年報とも呼応するものだ」と説明した。

WMOが今年10月に発表した最新のデータによれば、24年には地球の地表付近の主要温室効果ガス濃度が前年に続いて上昇し、そのうち二酸化炭素の濃度は前年比3.5ppm(100万分の1)上昇の423.9ppmに達し、1957年に現代観測システムを構築して以降で最大の上昇幅になった。メタンは1942ppb(10億分の1)、亜酸化窒素は338ppbだった。今回の増加は世界の化石燃料由来の二酸化炭素排出量の増加、極端な高温条件下における生態系の炭素吸収能力低下および同年の山火事の頻発といった要因に関連している。

年報によると、24年には青海省海南蔵(チベット)族自治州共和県にある瓦里関国家大気バックグラウンドステーションの二酸化炭素濃度が年平均で前年比3.5ppm上昇の424.9ppmに達し、引き続き世界の上昇率と一致した。メタンは2003ppb、亜酸化窒素は338.4ppbとなり、世界平均をわずかに上回った。

曽氏は、「中国気象局は1990年代から温室効果ガス監視ネットワークの構築を進め、これまでに瓦里関のWMOグローバルバックグラウンドステーション、地域のバックグラウンドステーション7ヶ所、試運転ステーション11ヶ所、監視ステーション120ヶ所余りからなる国家レベル監視ネットワークを構築しており、そのデータ品質は国際的に認められている。そのうち瓦里関国家大気バックグラウンドステーションの監視結果は『世界温室効果ガス年報』に直接活用されている」と説明した。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年12月5日

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