2024年度中国生態環境分野の科学技術進展トップ10が発表

人民網日本語版 2025年06月06日14:16

「世界環境デー」に当たる6月5日、中国科協生態環境産学コンソーシアムは、北京市で2024年度中国生態環境分野の科学技術進展トップ10を発表した。これには青蔵高原(チベット高原)の永久凍土、世界の土壌微生物由来炭素推定、中国の都市地盤沈下の分布、黄河流域における汚染物・炭素排出削減など複数の分野が含まれる。光明日報が伝えた。

同コンソーシアムの会長を務める中国環境科学学会理事長の王金南院士は発表会で、「これらは中国の生態環境科学分野における最新で最先端の成果で、大きな実用化のポテンシャルと応用の価値を持つ。美しい中国の建設とグリーンかつ低炭素な質の高い発展に強固な科学的根拠と技術的支援を提供するものだ。中国の生態環境分野では近年、ハイレベルな科学技術成果が続出しており、高水準の学術論文と技術特許の件数は世界1位となっている。すでに水、大気、土壌、固形廃棄物、環境モニタリングなどの重点分野をカバーする生態環境科学技術支援システムが構築されている。技術供給は全体的に独自化を実現し、中国の生態環境保護のニーズをほぼ満たしている」と述べた。

今回発表された進展トップ10の具体的な内容は以下の通り。

(1)青蔵高原の多年凍土炭素循環の気候温暖化への応答メカニズム

(2)気候変動下における主要な大気成分の変動規則と制御原理

(3)環境気象の多要素スマートセンシングおよび大規模言語モデル予報システムの開発と応用

(4)排出と大気過程の統合カップリングモデル「EPICC-Model」の研究開発およびオープンソース公開

(5)世界の土壌微生物由来炭素推定の新しい公式と炭素循環への影響

(6)中国における都市地盤沈下構造とそのメカニズムの研究

(7)気候変動と陸域生態系の作用メカニズム

(8)漸進的な生態修復理論と河川修復の実践

(9)スマート化された排ガス・炭素・汚染物の協調削減に関する重要技術とその応用

(10)黄河流域における容量拡大・汚染削減・炭素排出削減の技術体系とその応用

同コンソーシアム副会長の張遠航院士は、「科学技術進展トップ10は中国科学院および中国工程院の院士、コンソーシアムの加盟機関、大学、科学研究機関の推薦を受け、14人の院士による評価委員会の評価・投票を経て選出された。今年で6年連続の発表となる。これまで発表されてきた科学技術の進展は、生態環境分野における技術イノベーションの牽引、生態環境科学研究の奨励、一般市民の環境保護意識の向上、社会全体のイノベーション文化の醸成において積極的な役割を果たしてきた」と説明した。

同コンソーシアムは環境、生態、気象、地理、農業、林業、土壌、地質、海洋、水利、再生可能エネルギー分野の11の国家レベルの学会に加え、生態環境分野の著名な企業、学術研究機関、社会団体が共同で発足させた協同イノベーション組織だ。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年6月6日

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