「空飛ぶタクシー」でパンダ見学 低空経済が加速
成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地の「パンダ飛行ステーション」から離陸し、「パンダ空飛ぶタクシー」に乗れば、地上300メートルの上空から、同基地の象徴的な建築物や趣ある都市景観を一望できる。新華社が伝えた。
「パンダ空飛ぶタクシー」路線は、成都市域内を巡る都市型の低空観光ルートだ。今年の「メーデー(5月1日)」連休に正式運航を開始して以降、これまでに累計395便以上を運航し、927人余りの乗客を受け入れてきた。
現在、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)は力強い成長を見せている。業界データによると、2024年の中国における低空経済の市場規模は6702億5000万元(1元は約22.3円)に達した。低空分野は文化観光や物流などの業界と深く融合し、革新的な利用シーンが次々と生まれている。
「空飛ぶタクシー」で景勝地を巡り、異なる視点から世界を見る。四川省成都市に本社を置く沃飛長空は、低空交通用飛行機の研究開発と商業運営に特化している。これまでに、四川・安岳石窟から重慶・大足石刻、成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地から都江堰パンダ谷を結ぶ低空文化観光路線の試験飛行に成功してきた。2026年末までに、四川・重慶地域の主要観光地をカバーする低空文化観光環状路線を16期に分けて段階的に展開する計画だ。

四川・安岳石窟デジタル展示センターから離陸する沃飛長空が運航するヘリコプター。撮影・辺思琪
中国民用航空局の予測によれば、2025年の中国低空経済市場規模は1兆5000億元に達し、2035年には3兆5000億元を上回る見通しだ。現在、各地で低空分野への参入が相次いでいる。
四川省綿陽市北川通航産業パークには、低空経済産業チェーン関連企業64社が集積し、「技術研究開発―シナリオ応用―人材育成―産業集積」という好循環が形成されている。
北川ドローン総合試験基地では12月25日、複数のドローンが市場投入に向けた「評価」を待っていた。基地責任者によると、同基地は毎年50余りの研究機関に対し、4万回を超える試験サービスを提供している。高原環境を模擬し、標高5000メートル相当の低気圧・低温試験を実施できるほか、強風、降雨、雹といった極端気象の再現も可能で、製品性能の検証に包括的な環境支援を提供している。
低空経済の力強い発展を背景に、同地では人材需給を精密に結び付ける産学融合の仕組みも構築されている。綿陽飛行職業学院2023年度入学ドローン専攻2組の学生・張衆氏はこのほど、九洲空管科技有限公司で「北川―江油垂直離着陸固定翼ドローン物流輸送」綿陽県域超高速低空物流プロジェクトに参加した。同学院飛行技術学院の鄭保民院長は、「今年7月より、学院は延べ100人以上の学生を実践に送り出し、北川―江油間68キロメートルの往復路線で120回の飛行試験を完了し、プロジェクトの最適化と実用化に強力な人材支援を提供している」と説明。

企業で実習に参加する綿陽飛行職業学院の学生。画像提供:綿陽飛行職業学院
「第15次五カ年計画(2026−30年)」計画の提言によると、低空経済は今後重点的に育成される戦略的新興産業クラスターの一つに位置付けられた。現在、四川省は低空企業の「技術検証」から「シナリオ融合」への移行を加速させており、航空旅客・貨物輸送、ドローン物流、医療物資配送、低空観光などの路線を200本近く開設し、累計飛行時間は10万時間を突破した。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年12月30日
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