ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人が紡ぐ飼い主とペットの思い出

人民網日本語版 2026年03月19日14:27

何鴻傑さんが作ったトイプードルのぬいぐるみ(写真提供・取材対象者)。

何鴻傑さんが作ったトイプードルのぬいぐるみ(写真提供・取材対象者)。

中国でペット経済が急速に発展する中、「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」が誕生している。糸や毛皮などを使い、亡くなったペットそっくりのぬいぐるみを作りあげるのがその仕事で、飼い主にとっては、思い出に触れることができる品となり、慰めを得ることができる。

3月17日に亡くなった愛犬そっくりのぬいぐるみを受け取った「95後(1995-99年生まれ)」の雍弘燁さんは、瞬く間に目に涙を浮かべた。少し首をかしげ、微笑むような表情を浮かべた姿は、まさに彼女の記憶の中の愛犬そのものだった。そして「これでもうあの子と離れ離れになることはない」とつぶやいた。

3月17日、寧夏回族自治区銀川市にある「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」の何鴻傑さんのスタジオを取材したところ、ファンタスティックなミニ動物園に足を踏み入れたような気分になった。そこに並ぶぬいぐるみは生き生きとした表情を宿していて、本物と見紛うほどだ。注意してじっくり観察しなければ、この瞳に力を宿した「ペット」たちが、実は毛皮やウールで丁寧に作り上げられたぬいぐるみだとは信じ難かった。

何さんにとって、この仕事は単なる手工芸好きが高じた趣味の延長ではない。ペットをそっくり再現したぬいぐるみに仕上げるために、解剖学者のように、骨格の構造や筋肉の付き方などを研究し、動画を1コマ1コマ止めて見ながら、瞬時に変化していくペットの表情を分析しなければならないという。「一番難しいのは形ではなく、魂だ」と何さん。

ペット経済が成長しているのを背景に、何さんの注文予約も2027年までいっぱいになっているという。そして、クライアントとペットの物語も多様化している。例えば、亡くなったペットのメモリアルグッズを作る若者もいれば、ペットの小さい頃の姿を忘れたくないという人、自閉症の子供に癒し系のぬいぐるみをプレゼントしたいという保護者などだ。10年飼っていた猫のアルバムを持ってきた女性もいたと言い、そこには肉球の模様までしっかりと記録されていた。年老いて少なくなった首の毛を再現するために、何さんは、ウールとウサギの毛を混ぜたという。完成したぬいぐるみを渡した時、その女性は抱きしめたまま、しばらく黙り込んでいたと言い、「その瞬間、僕が縫い合わせていたのは糸と皮ではなく、途切れた時間でもあると感じた」という。

テクノロジーが進歩し、AIで声の再現などが試みられているが、メモリアルグッズを丁寧に作り上げる「ペットをそっくり再現するぬいぐるみ職人」は、単なる再現にとどまらず、そこに魂を吹き込んでいる。リズムの速い今の時代において、手間をかけて、ぬいぐるみを作り、永遠に続く愛を紡いでいるのだ。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年3月19日

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