「ネイチャー」誌、中国の「緑の長城」は世界の砂漠化対策の模範と論評
英誌「ネイチャー」は4月15日付の社説と論説記事で、世界で複数の砂漠化対策が進展の遅れや挫折に直面する中、中国が半世紀近くにわたり推進してきた「緑の長城」こと「三北」(西北、華北、東北)防護林事業は、実践によって検証された数少ない道筋を示しているとした。この経験の意義は、単なる「植樹」にとどまらず、複雑な生態学的・社会的問題に長期的な統治思考でいかに対処するかという点にあるとしている。科技日報が伝えた。

庫布其(クブチ)砂漠で活動する学生。庫布其砂漠は中国の内蒙古(内モンゴル)自治区における「緑の長城」プロジェクトの一部だ。(写真出典:英誌「ネイチャー」ウェブサイト)
大多数の「緑の長城」プロジェクトは、「大規模な植樹によって砂漠の拡大を阻止する」という単純な発想から始まった。しかし、初期の緑化は維持が困難な場合が多い。干ばつや放牧、管理不足により、苗木が容易に枯死してしまうからだ。
問題は自然条件だけではない。樹木には水と長年の管理が必要だが、短期的資金では継続的支援にならない。また、適切な樹種、水資源の制約、現地の生計への影響に対する考慮を欠くことが多い。例えば、現地の農家・遊牧民にとって樹木は時に家畜と限られた資源を奪い合う存在となるため、参加や維持への動機を欠く。こうした要因が重なり、植えることは容易でも生き残らせることは非常に困難となる。
これに対し、中国の「三北」防護林事業は長期的進展の見本となる。1978年に始動したこの事業は、2050年まで継続される計画だ。
現在の進捗状況を見ると、この事業はすでに段階的な成果を収めている。関連地域の森林被覆率は78年の約5%から23年には14%近くにまで上昇し、土壌流出面積は約3分の2減少した。砂塵嵐の強度と頻度も低下し、風下にある都市の大気質も改善した。
しかし、より重要な変化はガバナンス手法に生じている。新疆維吾爾(ウイグル)自治区の塔克拉瑪干(タクラマカン)砂漠道路を例にすれば、砂漠を貫くこの重要ルートの両側には、風砂を弱め流砂の侵入を防ぐため、約440kmにわたり耐乾性低木の防護帯が築かれている。初期の防護システムはディーゼルによる点滴灌漑システムに依存していたため、コストと排出ガスの問題が大きかったが、後に太陽光発電による灌漑へと段階的に移行し、22年には「ゼロカーボン」の砂漠道路となった。
近年、中国は砂漠の縁辺部にも大規模な風力・太陽光発電施設を建設している。太陽光パネルは植生に日陰を提供し湿度を保つだけでなく、農村産業の発展を促進し、現地に雇用と収入源ももたらしている。
「ネイチャー」は、砂漠化対策の実践においては、中国のように地域の実情に即して柔軟なアプローチを取る施策に学ぶべきだとしている。例えば、アフリカのサヘル地域では低木や草地の回復を優先すべきであるのに対し、湾岸諸国では水資源のコストと収益を考慮する必要がある。
同誌は、中国の砂漠化対策成功の鍵は具体的な手法そのものだけでなく、長期的戦略、予測可能かつ継続的な資金投入、そして過去の経験と失敗から絶えず教訓を汲み取る姿勢にあるとした。
かつての砂漠化対策事業は、植林の面積や本数を主要指標としていたが、近年中国は砂塵嵐が減ったか否か、砂丘の移動が止まったか否か、住民の所得が改善されたか否かといった、より実質的な結果を重視するようになってきている。
国際的な援助に依存する事業とは異なり、中国は継続的な財政投入と制度設計を通じ、砂漠化対策を長期的な発展計画に組み込むことで、後々の維持管理と技術進化の継続性を確保している。
さらに、中国は長期にわたる試験を通じて有効な技術を数多く蓄積してきた。例えば「草方格(乾燥したワラで1m四方のワラを碁盤の目のように並べて砂に埋め込むこと)」による砂の固定技術は、地表の粗度を高めて風速を低下させ、流砂を固定することで、植生回復の環境を整える。内蒙古の庫布其砂漠では、大規模な太陽光発電施設が年間41億キロワット時(kWh)を発電すると同時に、約6700ヘクタールの土地を回復させ、黄河への流出土砂量を約200万トン減少させている。また、デジタル化によるインセンティブも効果を発揮しており、支付宝(アリペイ)の「蟻の森」プロジェクトにはすでに5億人以上のユーザーが参加し、累計で6億本以上の耐乾性植物の植樹を支援してきた。
さらに重要なのは、中国が継続的なモニタリングによって事業の効果を評価している点だ。94年以来、全国規模の砂漠化調査を6回実施し、衛星、ドローン、実地データを組み合わせた定量的評価を行っている。
「ネイチャー」は、中国の「緑の長城」の実践は、大規模な生態系修復が決して不可能ではないことを示しているが、その成果は政府による継続的な資金投入、及び生態系と社会との間の長期的な調和にかかっているとしている。(編集NA)
「人民網日本語版」2026年4月27日
注目フォトニュース
関連記事
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257 Mail:japan@people.cn








