外国人観光客、観光地ではなく中国の工場を見学する理由とは?

人民網日本語版 2026年07月24日10:23

資料写真(撮影・鄭焕松)

資料写真(撮影・鄭焕松)

20年数年ぶりに浙江省寧波市を訪れた英国人観光客のバレット氏は、旅行のスケジュールに天童寺や東銭湖を入れなかった。代わりに訪れたのは、キッチン家電の生産ライン、スマートコンセント工場、新エネルギー自動車の製造工場、そして半導体チップのテスト企業だった。目の当たりにした光景は、中国の製造業に対する認識を一新させるものだった。人民網が伝えた。

バレット氏は自身のSNSでカメラに向かって、「中国では25秒ごとに1台のレンジフードまたは食器洗い機がラインオフし、6車種が同一ラインで混流生産され、さらに2秒ごとに3ピン電源変換プラグが1個生産されている。20年前、『中国製』といえば安価で手頃な製品というイメージだった。しかし今回実際に工場を見学して、その意味は今まさに塗り替えられつつあると感じた」と感慨深げに語った。

バレット氏のように、「工場見学」を中国を知る最初の一歩とする外国人観光客は、ますます増えている。

中国では一方的な査証(ビザ)免除措置やトランジット・ビザ免除政策の拡大が進み、外国人の入国者数は急速に増加している。国家移民管理局のデータによると、今年上半期の外国人入国者数は前年同期比20.4%増の2291万4000人だった。このうち、ビザ免除措置を利用して入国した外国人は前年同期比30.6%増の1781万5000人と、外国人入国者全体の77.7%を占めた。

外国人入国者数の上位10か国は、韓国、ロシア、マレーシア、ベトナム、タイ、シンガポール、米国、日本、モンゴル、オーストラリアで、外国人入国者全体の62%を占めている。外国人観光客は、自らの足で中国製造業の「最前線」を訪れ、その実態を体感している。

北京第二外国語学院観光科学学院の唐承財教授は取材に対し、「観光客の消費ニーズは、従来の名所巡りから体験型・知識型観光へと移りつつある。産業観光は、製品がどのように作られているのかを知り、科学技術の魅力を体感したいというニーズにまさに応えている。また、国際社会の中国製造業に対する認識も、『低価格の受託生産』から『イノベーションによるスマート製造』へと変化しており、製品そのものだけでなく、中国の技術力や産業イノベーション能力も高く評価されるようになっている」と述べた。

江蘇省太倉市では、ロシア人観光客のドミトリー・ロマンツォフ氏が中国の工場を見学した。整然とした生産ラインは、彼の予想を大きく上回るものだった。「作業工程は一つひとつが緊密につながっており、ほとんど無駄な時間がない。生産のリズムは驚くほどスムーズだ。自動化のレベルも想像をはるかに超えており、以前抱いていた手作業中心で雑然とした工場というイメージとはまったく違った。まさにハイテクが製造業を牽引しているのだ」と話す。

業界関係者は、外国人観光客が中国の工場を訪れること自体が、「中国製造」が追随する立場から世界をリードする存在へと変化してきた歩みを、自ら体験することにほかならないと指摘する。「受託生産拠点」から「イノベーションによるスマート製造」へ、「安価で手頃」から「高品質・高いイノベーション力」へ――中国製造業の国際的なイメージは、いま新たに再定義されつつある。(編集YF)

「人民網日本語版」2026年7月24日

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