中国から略奪した文化財返還求める講演会が日本・東京で開催

人民網日本語版 2025年06月16日16:36

日本の有識者からなる「中国文化財返還運動を進める会」は14日、東京で講演会を開催した。戦時期の中国における日本の考古学的調査や、文化財略奪問題に焦点を合わせた講演会では、略奪文化財の返還と学術倫理の再構築‌が呼びかけられた。中日の学術界関係者、メディア関係者、一般市民が参加した。新華社が伝えた。

東京都埋蔵文化財センター調査研究部の五十嵐彰・調査研究主任は講演会で、20世紀半ばに日本の学者が中国で展開した考古学的調査について説明したほか、日本が対外侵略を行う中、そうした活動がどのように軍事的占領に加担したかを説明した。

五十嵐主任は、「『学術研究』という名の下に行われた調査は、旧日本軍が占領した地域で多く発生しており、植民地支配や文化財略奪と密接な関係がある」と指摘。代表的な例を10件以上挙げ、戦後の日本の学者の回顧的文献を引用し、戦後の日本学術界における、出版や展示を通して文化財略奪を「学術的成果」と美化する傾向を明らかに示した。

講演会は、中国の文化・自然遺産デーに開催された。五十嵐主任は取材に対して、「現時点で、中国文化財返還を進めるうえで最大の壁となっているのは、そうした文化財がどこから来たもので、それにはどんな歴史的意義があるかについて、日本社会ではほとんど知られていないことだ」と指摘。「様々な方法を通して、一人でも多くの人にそれらについて知ってもらい、文化財返還のために社会的な基盤を作り出さなければならない。また、日本は中国と手を携えて文化財返還を進めなければならない。それは、この問題における本当の意味での和解を実現することにつながる」と強調した。

「中国文化財返還運動を進める会」の共同代表で、「村山首相談話を継承し発展させる会」の理事長を務める藤田高景氏は、「日本は中国を侵略し、植民地支配を行った際、中国各地から石像、陶磁器、絵画といった大量の貴重な文化財を略奪し、その多くが未だに返還されていない。日本はそれら文化財を自ら返還し、平和を追求する姿勢を見せなければならない。日本が敗戦した第二次世界大戦が終結して80年という節目を迎える今年、文化財返還運動を引き続き進めることには非常に意義がある」との見方を示した。 (編集KN)

「人民網日本語版」2025年6月16日

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