テクノロジーが支える「大国の穀倉」 グリーン貯蔵でより安全に
中国南部では現在、中晩稲の収穫・貯蔵がピークを迎えている。江西省余干県にある中儲糧南昌直属庫の現場では、黄金色に輝く稲穂を満載したトラックが次々と到着し、秩序よく入庫作業が進められている。ここにある新型の「4in1」貯蔵倉庫は、検査・換気・くん蒸・冷却の機能を一体化したもので、1つの穀物山の高さは平均7メートル、最大で3000トン近くの稲を貯蔵できるという。では、安全かつ秩序ある収穫・貯蔵をどのように実現しているのだろうか。中央テレビニュースが伝えた。
スマートサンプリング検査システム、穀物入庫の「スマートゲートキーパー」に

穀物のサンプリング検査は穀物の貯蔵工程で最初に行う品質チェックのステップだ。中儲糧南昌直属庫では、トラックが停車すると、スマートサンプリング装置の機械アームが素早く伸び、あらかじめ設定された位置から正確にサンプルを採取する。1台分のサンプリング作業はわずか3分ほどで完了し、採取したサンプルは隣接するスマート検査プラットフォームに送られ、異物、水分、玄米率、黄粒米など一連の品質指標を自動で測定する。このスマートサンプリングシステムの導入により、検査効率が大幅に向上し、人為的な誤差も大きく減少した。
「準低温+高濃度窒素」で長期の鮮度保持
この倉庫は、いわば巨大な「保冷庫」だ。冬は機械による換気で温度を下げ、夏は穀物専用のエアコンや冷却機を使って穀粒内部まで冷気を送り込み、平均穀温を年間を通して20℃以下、最高でも25℃以内に維持している。これにより「準低温」状態を保ち、品質劣化を遅らせ、虫害や微生物の活動を抑制している。
さらに、この倉庫は「ポテトチップスの袋」にも例えられる。ポテトチップスの袋が膨らんでいるのは、食品用の不活性ガスを封入して酸化や湿気を防ぐためだが、穀物倉庫でも状況に基づき窒素ガスを充填する。これも不活性ガスの一種であり、倉内の窒素ガス濃度が98%に達すると、害虫を効果的に駆除・防止し、穀物の品質劣化を遅らせ、貯蔵損失を減らすことで、長期の鮮度保持が可能になる。
現在、中儲糧南昌直属庫では、窒素によるグリーン貯蔵カバー率100%、準低温貯蔵率100%を実現。出庫時の平均損耗率は0.8%以内に抑えられている。

また、倉庫内には多くの「小さな見張り役」もいる。各倉庫には150~200個の温度センサーが設置されており、スタッフは大型のスマートモニター上で、すべての倉庫の温度・湿度などのリアルタイムデータを一目で確認できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2025年10月20日
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