中国政府がベトナムに派遣した4隻の大型客船「五指山号」「銅鼓嶺号」「紫荆12号」「白石嶺号」は19日、現地で反中暴動に巻き込まれた中国企業の従業員3553人を乗せ、ハティン省のブンアン港を次々と離岸、海南省海口市の秀英港に向け帰国の途に就いた。人民日報が伝えた。
「ついに家に帰れるぞ!」-ある中国人ビジネスマンは、少しやつれた面持ちではあったが、自分たちを迎えに来てくれた祖国の客船に一歩足を踏み入れると、ほっとした様子を見せた。
「五指山号」では、長時間にわたり緊張と恐怖を強いられてきたせいか、乗船前にすでに疲労の色がかなり濃かった乗客が多かったが、乗船すると、多くの人が安心して眠りについた。
中国政府部門間作業部会のリーダーを務める外交部(外務省)の劉建超部長助理(外務次官補)は、「中国政府は、ベトナムで暴動の矛先が向けられた中国人の安全を、何よりも重視している」と述べた。
部門間作業部会は16日、ベトナムに駆けつけ、現地中国人の帰国手配について、関係各方面と協議した。翌17日、中国側はチャーター機と客船で中国人を帰国させる作業をスタートさせた。医療専用チャーター機と南方航空のチャーター機はすでに、ハティン省で発生した反中暴動に巻き込まれた中国人307人を搬送、この中には負傷者も含まれていた。
劉部長助理は、「今回は、さまざまなルートで、ハティン省の中国人の緊急避難を進めている。負傷者はすでに航空機で搬送した。同省は、ハノイ空港からかなり遠く、車では12時間から14時間かかることから、ほとんどの人は、客船による搬送という手段をとった」と説明した。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年5月20日