中国の習近平国家主席は29日、北京の人民大会堂でアジアインフラ投資銀行（AIIB）の設立協定への署名を行った各国代表団の代表と会談した。人民日報が伝えた。

　習主席ははじめに中国政府を代表し、設立協定の締結に対する祝賀の意を表した上で、「中国がAIIBの設立を提案した目的は、アジア地域のインフラ建設とコネクティビティを推進し、地域間協力を深化させ、共同発展を実現するため。この提案に、域内外の各国から積極的な反響があった。設立協定の署名により、AIIBは歴史的な一歩を踏み出し、AIIB設立に対する各国の厳粛な約束が表明され、団結、協力、開放、包容、共同発展という実務的行動が体現された」と指摘した。

　習主席はまた、「各加盟国は今日、団結・協力、開放・包容の精神にのっとり、質の高いAIIB設立協定に署名した。各々が多国間協力の精神を持ち続けることで、AIIBを開放、包容、互恵、ウィンウィンの新プラットフォームとすることができ、アジアのインフラ発展に積極的な貢献を果たせるだろう」と強調した。

　会談では、スイス連邦参事会のシュナイダーアマン経済相、ニュージーランドのビル・イングリッシュ副首相・財務大臣、韓国の崔炅煥(チェ・ギョンファン)経済副総理らが発言した。

　彼らは、「AIIBの設立に向けた取り組みが迅速かつ専門的に進められていることは喜ばしいこと」と述べたほか、「アジアのインフラ融資のニーズは明らかだ。中国によるAIIB設立提唱は、時勢に合ったものであり、非常に重要。AIIBは、中国が提起した『1ベルト、1ロード』（シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード）と共に、当該地域のインフラのボトルネックと資金面の制約の解消を後押しすると同時に、域内国家間の貿易関係とコネクティビティを強め、インフラが脆弱な国を助け、アジアの発展を促すだろう。AIIBが将来、国際的な金融機関発展における重要な一部分となることを信じている。AIIBの設立を提起し、準備を進める中で、中国が積極的な意向と開放的な精神を示したことは敬意に値する。アジア発展のプロセスにおいてAIIBが重要なリーダーシップを発揮することを信じている」との見方を示した。（編集SN）

　「人民網日本語版」2015年6月30日