「若者が掘り起こす“東北”の魅力を発信する~東北 絆プロジェクト~」の岩手県視察旅行に同行し、岩手県の厳美渓を訪れた。岩手県は本州東北部に位置し、東京からは約466キロメートル離れている。厳美渓はその岩手県の一関市西部にあり、「日本一美しい渓谷」と呼ばれ、磐井川中流にある渓谷だ。数万年の時をかけて磐井川の水流によって浸食され、形成された渓谷の全長は約2キロメートル。碧く澄んだ流れと、切り立った岩壁、しぶきをあげる瀑布と急な流れ、これら自然が生み出す絶景に惹きつけられ、毎年数多くの観光客がこの地を訪れる。人民網が伝えた。
厳美渓をなぜ岩手県の最初の視察先として選んだのかという質問に対し、今回の視察を担当する清華大学の王鶴さんと劉文ジンさん(ジンは女ヘンに青)は「私たちは岩手県に来たことが無かったので、視察ルートを計画する際、岩手県の名勝地のランキングを参考にした」と笑いながら答えた。厳美渓は江戸時代にはすでに観光地として広く知られていたばかりでなく、武将の伊達政宗や明治天皇もこの地を訪れたという。1927年には国の名勝に指定され、次第に東北地方における重要な観光地の一つとなっていった。
視察当日は小雨が降っていたものの、訪れた人々の気持ちに影響を与えることはなかった。しとしとと降り注ぐ雨の厳美渓は独特な美しさをたたえており、満開の桜の木が続く渓谷沿いをそぞろ歩くと、雨で緑の葉は一層鮮やかな色合いを見せ、岩を打つ激流と共に大自然の織りなす美しい景色に人々はただ感嘆するばかりだった。
また渓谷の周りには団子を売る店が多く軒を並べていた。厳美渓はその絶景だけでなく、一風変わったこの団子も非常に有名で、1878年創業の郭公屋の郭公だんごは厳美渓の名物だ。観光客が団子を買う場合は、休憩所にある移動式の竹籠に必要分の金額のお金を入れ、備え付けの木槌で板を叩くと、対岸のお店から団子が熱々のお茶と共に竹籠に入れられワイヤーロープ伝いに届けられてくる。この独特な販売方法は観光客の興味をひき、体験する人が引きも切らない。美食と絶景のコラボに長旅の疲れも一気に吹き飛び、厳美渓視察の旅を満足して終えることができた。
今回の視察旅行は16日から20日まで日本の東北6県で展開され、北京日本人留学生社団(BJSA)と日本の大手旅行社・JTBが共催する「若者が掘り起こす“東北”の魅力を発信する~東北 絆プロジェクト~」だ。同プロジェクトには北京大学、清華大学、中国人民大学等大学から12名の中国と日本の大学生が参加し、6組のペアがそれぞれ東北6県を訪問し、東北の魅力を発掘していく。(編集TG)
「人民網日本語版」2016年5月18日