湖北省博物館には20人の文化財修復者がいる。興味深いことに、そのグループの中の「80後」(1980年代生まれ)の若い夫婦は文化財修復が縁で結ばれた。夫の趙暁龍さんと妻の張暁ロウさん(ロウは王へんに龍)は同い年だけでなく、名前も似ている。「小さい頃から古いものを修理することに夢中になった」と話す趙さんは自身の趣味の話になると目を輝かせる。「学校に通っていたころは小遣いが少なかったが、いつも中古市場に行っては「宝」を探し、お気に入りの「ボロボロのもの」を買ってきて修復を試みていた」と趙さんは続ける。文化財修復の基準は「古いものは古さを残し修復する」ことだが、この「古い」というのは欠損なく完璧に美しく修復しつつ、文化財そのものの年代感と一致させることだ。趙さんは、「精製水で洗ってもきれいにならない古い書画に直面することがある。その時は妻に助けを求める。彼女は古い書画の材質を測定し、化学試薬を入れるかどうか考える」と話す。文化財保護を専攻した趙さんを「文化財マニア」というなら、材料科学を学んだ妻の張さんは「技術マニア」と言える。張さんは文化財修復の材料チェック作業を担当し、顕微鏡など精密機器で文化財の材質、成分を分析することで年代を判別し、その後、どのような化学試薬を使用して文化財修復を行うのかを判断する。新華社が伝えた。
張さんは、「彼は文化財修復を主に行い、私は文化財保護を主に行っている。文化財保護というのは文化財修復への第一歩だ」と話す。2011年に博物館にやってくる前、彼女は文化財保護の仕事に何の考え方も持っていなかった。5、6年があっという間に過ぎ、この仕事がきっかけで彼女と趙さんは結婚し、修復した文化財とそれぞれの縁を紡いだ。
張さんは、「これらの神秘的な感じがする文化財に夢中になってはいるが、分からないことも多い。夫は私の『歴史書』で、ページをめくるといつでも文化的、歴史的な知識を補充してくれ、文化財の背後にある工法や思想を教えてくれる。知恵とインスピレーションが私の仕事を更に充実させてくれる」と話す。 (編集JK)
「人民網日本語版」2016年5月19日