恋愛から結婚、子育てや家族関係を通じて、中日関係を最も身近に肌で感じることになる国際結婚。特に女性は妻として、母として、嫁として、中国と日本という二つの国の間の矛盾や共通点などをより身近に感じ、家庭の中でうまく融合させていくキーポイントとなる存在。
人民網では、そんな中日カップルの中でも中国人夫に嫁いだ日本人妻たちにスポットをあて、アンケートと座談会を行い、中国人夫との結婚生活や嫁姑問題、子育てに関して3回シリーズでお届けする。
第2回目の今回は、嫁姑問題についてまとめてみた。
嫁姑問題というのは、日本人同士の結婚においても尽きることの無い「ホット」な話題。国際結婚の場合、姑とは世代だけでなく、文化や習慣の差、果ては言葉のコミュニケーションという大きな壁が立ちはだかる。では日本人妻たちはこの問題にどうやって立ち向かっているのだろうか?
◆「大変さの種類が違う」が「むしろ楽」?
嫁姑問題に関するアンケートでは、大変と感じる人も少なくないものの、「それほどでもない」、「むしろ楽」と感じている人が半数以上を占めた。外国人ということで互いに寛容的だったり、そもそも中国語が聞き取れないので「知らぬが仏」を決め込むパターンも。しかし「おそらく大変さが異なる」と回答した人もいるように、その習慣や価値観の違いについて、夫に対するのと異なり、なかなか言えない、または言いたくても中国語でうまく表現できない故にストレスがたまるという一面はあるだろう。
◆度肝を抜く姑エピソード
姑に関するエピソードを見てみると、そこにはすでに中国人夫との間にあるような微笑ましいレベルの行き違いや差ではないものが多い。現代の中国人同士のカップルでさえ、都市と農村の格差などから様々な矛盾が生じるのだから、国際結婚は推して知るべしだろう。
ケース1:気づいたら身についていた節水術
義両親と同居していた時期は洗濯機の使用にも制限があったというMさん(大学生と高校生の二児の母、中国滞在歴24年)。なかでも節水に関しては洗濯機の排水から野菜を茹でたお湯まで徹底した再利用をする姑との日々で、気づけば「節水の感覚がすっかり身についてしまい、実家の母から徹底しすぎと煙たがられてしまうほどです」というMさん。
ケース2:まさかの「家畜のお医者さん」
夫が農村出身というYさん(小学生の母、中国滞在歴14年)。ある年の春節(旧正月)に夫の実家に一緒に帰った際、発熱。農村には病院がないので、姑が注射を打てる人と言って連れてきたのがなんと「家畜のお医者さん」。そして注射を打たれ、しばらく熱でうなされていたYさんがふと目を開けると、そこには春節に農村で出し物として演じるヤンガー用のばっちりメイクを施した姑の顔が目の前に。「あの瞬間、熱が下がった気がしました。姑からはあの注射効いたねと言われましたが、今命があってよかったなとつくづく思いますね」と語るYさん。
◆中国人夫以上に大きすぎる「差」が「しょうがない」という気に?
こうした一つ一つのエピソードは強烈そのものだが、その価値観の差の大きさから、互いに良い意味での「諦め」ができるようだ。
「姑の方もこうすべきというようには求めてこない。そういう意味では嫁姑の関係は日本よりはいいかも。嫌味とかも言わないので、その辺はすごい平和。姑も、外人のお嫁さんだからねって感じです。」(Kさん・幼稚園児の母、中国滞在歴20年)
「郷に入っては郷に従え」と言われ、カチンとしても、真っ向から事を荒立てることは苦手な日本人妻たち。それは意識的だったり、無意識だったりするのかもしれないが、そのちょっとした我慢や寛容さ、譲る気持ちが意外と「負けるが勝ち」となっているのかもしれない。(文とイラスト・玄番登史江)
「人民網日本語版」2017年7月6日
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