海南島には「鶏屎藤粑仔」という名前を見た瞬間、食欲が減退してしまいそうなインパクト十分なスイーツがある。「鶏屎(鶏糞)」とスイーツという奇妙な組み合わせを理解しがたいと感じる人も多いかも知れないが、これ無くして海南のスイーツは語れず、と言ってもいいほど、海南ではポピュラーなスイーツだ。人民網が伝えた。
「鶏屎藤粑仔」を紹介する際、まず欠かせないのが、その名の由来。「鶏屎藤(ヘクソカズラ)」は日本でも山野の路傍や家の周りで見かけることができる落葉つる性の多年草で、日本では薬草として使われる。葉を手でもむと、鶏糞のような臭いがするため、中国では「鶏屎藤」、日本では「屁糞葛」と呼ばれている。
作り方はまず「鶏屎藤」の絞り汁で白玉粉などをミックスした粉を練って、生地を作り、小さく丸めて茹でる。その形も店によって異なり、長めに丸めたものから、平たく丸めたものまであり、かけるスープもココナッツジュースや黒糖で味付けしたものと様々だ。味は異なるが、いずれも体の熱や湿気を取り除き、解毒作用や血を補う作用がある滋養たっぷりのスイーツとなっている。
また、海南島の一部の地域では、古くから旧暦7月1日の「鬼開門」(鬼たちが休暇をとり、下界へ降りてくる日)に、各家庭では厄除けに「鶏屎藤粑仔」を食べる習慣があり、それは現在も続いている。こうした風習以外にも、海南の人々は出産後の女性、手術後や虚弱体質の人が滋養をつける時などにも食べるという。(文・玄番登史江、張靖)
「人民網日本語版」2017年12月6日
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