日本科学協会が図書を中国に寄贈する事業を始めて19年目を迎え、寄贈された本1冊1冊が、そして1ページ1ページが、中日友好交流の歴史の一部となっている。日本財団と日本科学協会はこのほど陝西省の延安大学に図書の寄贈を行い、そのセレモニーが同校で29日に開催された。セレモニーには各界の関係者や同大学の教師、学生らおよそ300人が出席し、日本財団の笹川陽平会長、日本科学協会の大島美恵子会長、中国教育図書進出口有限公司の王建新総経理、延安大学の張金鎖学長らが挨拶を行った。人民網が報じた。
日本財団のサポートの下、日本で最も長い歴史を誇る公益財団法人の一つである日本科学協会は、1999年から19年間連続で、中国の18省、2自治区、4直轄市の大学に無償で図書合わせて374万冊を寄贈してきた。延安大学は75校目の寄贈対象校となった。
張学長は挨拶の中で、「日本科学協会は、中国の大学や研究機構に無償で図書を寄贈し続け、中日友好交流を力強く促進してきた。今回の活動を新たなスタート地点とし、延安大学と日本科学協会はその交流と提携をさらに強化し、人材育成を全面的に推進するための確かなサポートを提供していく。また、中日の民間における友誼を強化し、深化させるために積極的に貢献していく」とした。
大島会長は、「我々は大学、高校、企業、個人が提供した図書を中国の大学に寄贈している。全ての図書が日中友好の証だ。当協会は、図書の寄贈のほか、日中両国の未来を担う青年の友好交流の推進を目的に、『笹川杯日本知識大会』や作文コンクールなどを開催しており、図書寄贈がこうした友好交流を後押しし、日中両国の各世代の友好発展を促進していくことを願っている」とした。
また中日友好に関して、笹川会長は挨拶の中で、「日本と中国の交流には2千年の歴史がある。日本の中に中国があり、中国の中に日本もある。図書寄贈のような活動を通して、相互理解が深化され、友好と提携が一層強化されることを願っている。また、両国の若者が未来と向き合い、大局という観点から長い目で日中関係を見、手を取り合って両国の関係の発展を促進し、世界平和にさらに貢献してほしい」との期待を語った。
これらの寄贈図書は全て中国国際図書寄贈センターを通して、天津港から中国国内大学に送られている。王総経理は挨拶の中で、「国際図書寄贈センターは2012年から、寄贈された日本語図書を中国の東北地方や華北地方などへ送る中継地点となってきた。これまでに、日本科学協会から寄贈され、中継した図書は合わせて約60万冊となり、中国の日本語教育や日本研究を促進してきたほか、中日間の相互理解も強化してきた」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年11月30日
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