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多くの動植物の保護につながるアンブレラ種のパンダ保護

人民網日本語版 2022年04月06日10:14
多くの動植物の保護につながるアンブレラ種のパンダ保護
2021年10月4日、四川省臥龍中国ジャイアントパンダ保護研究センター核桃坪基地で撮影したのんびりと暮らす四川キンシコウ。キンシコウは、ジャイアントパンダのコンパニオン・アニマル(何勝山・人民図片)。

最近発表された「中国の生物多様性保護」白書には、中国のジャイアントパンダ保護の成果が記録されており、「野外のジャイアントパンダの個体数は40年間で1114頭から1864頭に増え」、「絶滅危険度は『絶滅危惧種』から『危急種』に引き下げられた」としている。

中国は近年、67ヶ所をジャイアントパンダ保護区に指定し、建設中のジャイアントパンダ国家公園がカバーする土地の面積は2万7000平方キロに達する。野生のジャイアントパンダの個体数の88%と、生息地の面積の70%が自然保護ネットワーク内に組み込まれている。保護にこれほど力が注がれているのは、ジャイアントパンダが人気ある中国の「国宝」であるだけでなく、アンブレラ種であるジャイアントパンダが生態系保護や周辺のコミュニティの持続可能な発展を促進することができるからだ。

自然保護の過程で、ジャイアントパンダは非常に重要な役割を果たす。ほぼ全てのパンダの生息地は、中国で最も重要な固有種の分布中心地と重なっている。中国には、固有種の鳥類や哺乳類、両生類がジャイアントパンダの生息地に数多く生息している。つまり、ジャイアントパンダのような「アンブレラ種」の保護を強化するということは、同じ区域に生息している他の種の保護にもつながるということだ。

ジャイアントパンダの保護は、他の野生動物の保護も促進しているほか、自然生息地での密猟が大幅に減少し、野生動物の個体群が少しずつ増え、生態系も回復している。

ジャイアントパンダ保護は経済や社会の発展も牽引し、パンダ保護と人々の生活水準向上の「ウィンウィン」が実現している。ジャイアントパンダが分布する細長い区域には、多くの人々が生活している。ジャイアントパンダ自然保護ネットワークの建設の過程で、現地の人々の生活スタイルも変化している。多くの住民は、ガス調理器やメタンガスといったクリーンエネルギーを使うようになり、薪を得るための伐採が減った。また、中医薬となる作物の栽培や養蜂産業の発展に取り組み、グリーンな商品を各大都市に販売して、生活が豊かになっている地域もある。ジャイアントパンダやその生息地の生態系のサービスバリューは、パンダ保護に投じられた資金10倍と試算されている。

絶滅危険度が引き下げられたからといって、保護に入れる力を弱めるわけではない。ジャイアントパンダ国家公園が建設され、パンダが保護されることで、広い面積の生物多様性・生態系を傘を広げるように保護することができ、多くの動植物が共に繁栄するようになっていくだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年4月6日

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