日本化粧品大手「汚染水海洋放出による安全の問題なし」 中国消費者は懸念
日本の東京電力福島第一原子力発電所の原発汚染水が海洋に放出されたことが、大きな注目を集めている。シーフードをはじめとする水産物の安全性に対する懸念だけでなく、多くの消費者が日本の化粧品の安全性にも懸念を抱くようになった。
25日午前、クレ・ド・ポー ボーテ、SK-Ⅱ、資生堂、キュレル、フリープラスなど複数の日本の化粧品ブランドに問い合わせを行った。カスタマーサービスに原発汚染水の影響はどうかとたずねたところ、どのブランドからも「製品は中国の関連基準を満たしており、安心して使用できる」との答えが返ってきた。
たとえばSK-Ⅱの淘宝(タオバオ)公式旗艦店のカスタマーサービスは、「すべてのSK-Ⅱの製品と成分は販売に先立って厳格な品質・安全検査を受けている。消費者により安心してもらうため、中国の国家認証制度のCMA(中国計量認証認可制度)を取得し中国合格評定国家認可委員会(CNAS)が認可した第三者検査機関が国家検査基準に基づいてSK-Ⅱ製品の検査を主体的に行った」と答えた。
フリープラスの淘宝公式旗艦店のカスタマーサービスは、「花王中国法人傘下各社の公式ルートで輸入・販売された製品は、すべて税関の検査に合格し中国の関連基準を満たした合格品であり、消費者に安心して使ってもらいたい」と答えた。
日本の化粧品ブランドは相次いで「安全」と言うが、人々の懸念は完全には払拭されていない。
日本が原発汚染水の海洋放出計画を発表すると、中国のSNSでは多くの消費者が、「念のため日本の輸入化粧品には慎重に対処する」という態度を示し、SK-Ⅱ製品、資生堂、コスメデコルテなどを含む複数のブランドが返品・キャンセルに直面することになった。8月24日、ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」に「2日前に三亜の離島免税店で注文した化粧品は全部日本製だったので、返品に踏み切った」と投稿した消費者がいた。同時に、化粧品のライブコマースのライブ配信パーソナリティの中にも、販売していた日本製化粧品の扱いをすべて取りやめた人がいた。
90後(1990年代生まれ)の小敏(仮名)は取材に、「スキンケアとメイクはこれまでずっと日本製を使ってきた。原発汚染水事件に注目し始めてから、製品の安全性を考えると、手元にあるものを使い切ったらそれで終わりにして、これからは日本製品を買わない」と話した。
大学2年生の小昭(仮名)は、「いろんな日本の化粧品ブランドがそろって自分たちの製品には放射能の影響はないと言うが、現時点ではまだ信じることができない。これまで秋冬シーズンはキュレルのフェイスクリームが必需品だったが、今年は中国産クリームを代わりに使おうと思う」と話した。
長年にわたり、SK-Ⅱ、資生堂、クレ・ド・ポー ボーテ、キュレルなどの日本ブランド化粧品は中国で人気があり、よく売れていた。中国税関総署がまとめたデータでは、2022年に日本は中国で2番目の化粧品輸入相手国になった。しかし今年5月以降、日本からの化粧品輸入は大幅に減少し、6月は輸入額が前年同期比8.4%減となり、7月は同30%減とさらに大幅に減少した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年8月29日
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