切り花産業を支える科学技術の力

人民網日本語版 2023年09月04日09:07

雲南省は重要な花卉生産地で、四季を通して花が咲いている。科学技術のエンパワーメントにより、現地の切り花産業が全産業チェーンのカバーを実現し、生産・販売量で長年にわたり中国一をキープしている。現代化施設農業により開花期を正確にコントロールし、整ったコールドチェーン物流により千里離れた消費者に48時間内に切ったばかりの花束を届けることができる……。人民日報が伝えた。

昆明市晋寧区雲天化晋寧花卉産業現代化モデル園を訪れると、すくすくと成長するバラの畑があった。雲天化花匠鋪科技有限責任公司の運営ディレクターの呂金龍氏は取材に、プランターの点滴灌漑パイプを手にしながら、「これは単なる点滴灌漑パイプではない。長さは100メートルで、灌漑中に500ヶ所余りの吐水口から同時に水を出せる」と述べた。

パイプ内を流れるのは従来の灌漑水ではなく、水と肥料の混合液だ。呂氏は、「センサーによりハウス内の環境情報と花卉の成長データを収集した後、水・肥料一体化システムにより割合の異なる水・肥料混合液を自動で調合し、花の根に直接届ける」と述べた。

呂氏は、「工業化の思考で農産物を生産し、コンピューターを使いハウス内の環境を高精度にコントロールしている。自動化とスマート化を実現し、より低いエネルギー消費量とより少ない肥料により、植物に最も適した環境で成長させる。約7.13ヘクタールの花の日常的な水と肥料の管理を1人で行える」と説明した。

呂氏は、「高精度の環境コントロールにより、特定の花の開花時間を正確にコントロールできる」と述べた。

注文された花の鮮度を極力保ちながら輸送するにはどうするべきか。「ピーチアバランチェ」というバラの品種は、晋寧区張良花卉専業合作社で作られている。筆者の調査によると、合作社の花は畑で収穫後、作業員によってうどんこ病菌の胞子を取り除く液体の薬品に浸けられ、その後の輸送中のカビ発生を防止する。仕分けと包装を終えた花はさらに冷蔵庫で約6時間、事前冷却される。

合作社の責任者である張良氏は、「当社の花を畑から収穫し処理センターに運ぶ間は温度が高く、花が非常に早く咲いてしまう。購入者の手元に届いた時の鮮度を保つため、事前冷却処理を行う必要がある。冷蔵庫で2−6℃まで冷却してから次の場所に運ぶ」と述べた。

雲南斗南花卉産業集団の執行総裁の銭崇峻氏は、「今や関係者の努力により、コールドチェーン物流体制の建設が加速し、200社余りの物流企業が昆明斗南花卉取引市場に入居している。斗南から出荷される花の陸運コールドチェーン物流の割合は80%を超え、物流コストが大幅に削減されている」と述べた。

順豊公司は花コールドチェーン専用列車を毎日1本運行し、さらに100台余りの冷蔵車と18本の冷蔵輸送ルートを持ち、花の輸送を保証し、267都市・48時間以内の到着を実現できる。雲南順豊速運有限公司営業部顧客マネージャーの朱利娜氏は、「昆明発広州着の花は空輸だと通常翌日に到着し、コールドチェーン陸運だと約3、4日後に到着する」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年9月4日

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