塩・アルカリ耐性大豆の新品種、1ムー当たり生産量が最大306kgに

人民網日本語版 2023年10月11日09:20

中国科学院遺伝・発育生物学研究所によると、塩・アルカリ耐性大豆の新品種「科豆35」の実際収穫・生産量測定現場ミーティングが8日、山東省東営市で行われた。生産量測定専門家チームは実地調査により、2ヶ所のモデル農地の実際収穫・生産量測定を行った。コンバインによる収穫、重量測定、水分検査など一連の生産量測定の手続きを経て、最終的に次のように結論付けた。1番農地の実際収穫面積は13.99ムー(1ムーは約6.7アール)、実際収穫の1ムー当たり生産量は277.39kg。2番農地の実際収穫面積は3.43ムー、実際収穫の1ムー当たり生産量は306.52kg。科技日報が伝えた。

専門家チームは、「『科豆35』は塩耐性と生産量が高いという特徴を持ち、塩・アルカリ耐性大豆性品種育成による塩類アルカリ土壌総合利用におけるサポートの重要で画期的な成果であり、環渤海の塩類アルカリ土壌での実証実験の拡大と審査・推進の拡大を提案する」との見方で一致した。

中国の大豆輸入量はここ数年9000万トン以上で推移し、輸入への依存度が85%にも達している。同研究所の田志喜氏は、「大豆の栽培面積拡大は、中国の大豆生産量を向上させる効果的な手段だ。しかし既存の耕地の上で、主要食糧作物の栽培を減らし大豆の栽培面積を増やすのは、人が多く土地が少ないという中国の実際の国情に合わない」と指摘した。

田氏はさらに、「18億ムーの他にも中国には11億7000万ムーの限界耕作地があり、これには5億ムー前後の塩類アルカリ土壌が含まれる。農業利用の見通しのある塩類アルカリ土壌の総面積は1億8500万ムーに達する。これらの塩類アルカリ土壌の効果的な開発と利用は、中国の大豆の生産能力を高める重要な新方向だ」と述べた。

塩耐性大豆の新品種を育成し、中国のそれまで専門的な塩耐性大豆がなかったという問題を解決するため、田氏の研究チームは2017年より山東省東営市の黄河河口の典型的な塩類アルカリ土壌で、完全に自然の雨を使用することで実証栽培を行い、高強度塩耐性スクリーニング及びプロット試験を行った。

田氏は、「1万6000点以上の大豆遺伝資源材料の中から70数点の塩耐性新遺伝資源を選ぶとともに、特に優れている25点を基礎とし科豆35を生み出した。この成果は中国の大豆自給率の向上、中国の塩類アルカリ土地資源の有効活用の加速に力強い科学技術のサポートを提供している。これは中国の食糧安全保障と農業の持続可能な開発に対して重要な意義がある」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年10月10日

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