第6回輸入博 波及効果に期待を寄せる出展企業
第6回中国国際輸入博覧会が11月5日、上海市にある中国国家会展中心(上海)でスタートする。新型コロナウイルス感染症の発生後、初めて対面開催が全面的に再開された輸入博となる。
展示会に参加し、商品を展示することは、多くの企業にとって市場開拓と注文増加のためのルートになる。中国の対外開放の重要な展示会プラットフォームとしての輸入博を、市場開拓の重要なルートと見なす企業が少なくない。「輸入博の訪れに期待」、「これを機に引き続き中国市場を深く開拓していきたい」――取材に答えた多くの企業がこのように述べている。
2022年11月8日、第5回輸入博の食品・農産物展示エリアで、海外から参加したバイヤーが会場で赤ワインの評価を行っているところ。(撮影・翁奇羽)
米クアルコムの侯明娟グローバル副社長は取材に、「クアルコムは早くも2018年に、一番最初に申し込みをした米国企業の一つとして第1回輸入博に参加した。それからの数年間で、輸入博の『常連』になり、今年も早々と出展準備を始めた」と話した。
米ハネウェルの中国法人の余鋒総裁は、「ハネウェルは今年の輸入博で、イノベーション技術とソリューションを集中的に展示するとともに、フラッグシップ製品を初めて発表・展示する。輸入博という世界的なプラットフォームを通じて、当社の航空、エネルギートランスフォーメーション、デジタル化、自動化などの分野における優位性を引き続き発揮し、中国企業と互恵・ウィンウィンの機会をより多く模索していきたい」と述べた。
企業が相次いで輸入博を今年の重要イベントと見なすのはなぜか。「輸入博という展示会の波及効果を重視しているから」というのが、多くの企業の答えだ。
蘇州清越光電科技股份有限公司の陳志華董事長兼総経理は、「輸入博は企業が新技術や新製品を展示する重要なプラットフォームであり、私たちが業界の最新トレンドを知り、業界の知識について情報交換する重要なルートでもある。各種の重要な展示会を通じて、私たちは潜在的顧客や協力パートナーと接する機会を得ることができる。これまでも輸入博で駐中国モンゴル大使と知り合うことができた。これをきっかけに電気化学的な空気管理の製品のモンゴルの母子保健病院における協力・応用を促進することができた。輸入博は私たちのような中小零細企業の発展に原動力をより多く注入してくれるものだと言える」と述べた。
ニュージーランドのTheland社の第6回中国国際輸入博覧会での展示装置。(撮影・張伊辰)
ニュージーランドのTheland社の閆致軍乳業市場ディレクターは取材に、「輸入博は初めて開催されてから現在までの間に、中国がハイレベルの対外開放を推進する窓口に成長し、また海外の企業と中国の市場をつなぐ重要な架け橋にもなった。輸入博の『忠実なファン』として、当社は5年連続で初発表の新製品をひっさげて輸入博に出展してきた。中国の消費者の間で質の高い消費へのニーズが拡大し続け、グローバル企業に新たなビジネスチャンスをもたらした。輸入博のエンパワーメントによって、Thelandは中国で急速な発展を遂げた。今ではニュージーランドから中国へ輸出されるミルクの3缶に1缶はわが社の製品だ」と述べた。
これと同時に、中国の貿易円滑化レベルも上昇を続けている。閆氏は「乳業を例にすると、Thelandが中国市場に進出したばかりの時には、中国がニュージーランドから輸入する牛乳の関税率は15%だった。ここ数年間で、中国が関税引き下げなどさまざまな優遇政策を絶えず実施してきたため、現在は液体ミルクの関税ゼロになった」と述べた。
中国経済の質の高い発展の流れに順応するため、ここ数年は世界各地からの出展企業の展示する製品がより「テクノロジースタイル」になり、グリーン・低炭素という特徴が一層際立つようになった。
前出の余総裁は、「質の高い発展目標に推進される形で、中国は今、デジタル技術と実体経済との深い融合の推進に力を入れるとともに、発展モデルのグリーントランスフォーメーションを持続的に推進している。持続可能な発展を長期的に実践する企業としてのハネウェルは、新製品開発のうち約6割は顧客の環境保護をめぐる行動の改善と社会的利益を出発点としており、中心的業務は中国市場のニーズと発展トレンドに合致する。中国経済の質の高い発展トレンドは、ハネウェルのような企業のための発展チャンスも生み出している」と述べた。
上海シュナイダー配電電器有限公司の三期工事の様子。(写真提供は浦東発布)
展示会を契機として中国市場を開拓すると同時に、多くの多国籍企業は対中投資も持続的に拡大させている。少し前には上海シュナイダー配電電器有限公司の三期工事が完了した。これは一期工事と二期工事に続いて、フランスのシュナイダーエレクトリックが打ち出した新しいデジタル化・自動化された、二酸化炭素(CO2)を排出しない「CO2ゼロ工場」だ。6500平方メートルある新しい工場の建物が完成して稼働したことにより、工場全体の生産能力が30%拡大する見込みだ。今後はより多くのエネルギー管理の低圧遮断機がこの工場で製造されるようになり、中国の電力システムの安全で安定した運営をサポートし、エネルギーシステムのグリーン・低炭素へのトランスフォーメーションを加速するものと期待される。
データを見ると、今年上半期に全国で新たに設立された外資系企業は前年同期比35.7%増の2万4000社に上った。外資導入の質が持続的に向上し、ハイレベル技術産業の外資導入は同7.9%増加して、全体に占める割合が3.9ポイント上昇して39.4%に達した。そのうちハイレベル技術製造業の外資導入は同28.8%増加した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年10月16日
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