中国の専門家が「ナノ人工光受容体」を開発 視覚機能回復に期待
中国の医学専門家は酸化チタンナノワイヤーアレイ人工光受容体を利用し、失明したマウスと非ヒト霊長類モデルの視覚機能回復の実現に成功した。中国新聞網が伝えた。
研究チームはアカゲザルの目に人工光受容体埋め込み手術を行い、埋め込みから54週間にわたり、安定性と生体適合性を保った(画像提供・復旦大学附属眼耳鼻喉科病院)。
復旦大学脳科学研究院脳機能・脳疾患全国重点実験室、復旦大学附属眼耳鼻喉科病院医工融合イノベーション研究院専門家の張嘉漪氏、復旦大学附属眼耳鼻喉科病院専門家の姜春暉氏、復旦大学附属中山病院専門家の袁源智氏の複数のチームが協力し、関連する研究開発を行った。論文は「Nature Biomedical Engineering」の最新号にオンライン掲載された。
チームが研究開発した人工光受容体を失明マウスの眼底に埋め込むと、マウスは低い光強度の発光物の位置を正確に識別できるようになった。視運動反応試験の結果によると、人工光受容体が埋め込まれたマウスの空間分解能は正常なマウスの水準に近づいていた。チームがアカゲザルの目に人工光受容体移植術を行ったところ、埋め込みから54週間にわたり、安定性と生体適合性を保った。人工網膜埋め込み箇所の光点刺激は、アカゲザルの視覚誘導によるまぶたの痙攣を引き起こした。
張氏は取材に対し、「研究はこの人工光受容体が網膜退行性疾患患者の視覚機能を回復させるのに有効となる可能性があることを証明し、今後の臨床試験に有力な根拠を提供している」とした。また姜氏は、「これは臨床上の主要疾患群の一つに対して非常に重要な意義を持つ。関連疾患の患者は将来的に、この独創的な『ナノ人工光受容体』の受益者になる可能性がある」とした。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月28日
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