中国の科学研究者、人体の免疫系形成マップの構築に成功

人民網日本語版 2023年09月14日15:01

中国科学院深圳先進技術研究院が13日に明らかにしたところによると、中国の研究者は組織のカバー範囲が最も広く、タイムスパンが最も長く、サンプル採取の密度が最も高い人体の免疫系形成マップの構築に成功した上、免疫細胞の「新タイプ」であるミクログリア類似体を発見した。科技日報が伝えた。

12日付の学術誌「セル」に掲載されたこの研究成果は、深圳先進技術研究院合成生物学研究所の李漢傑氏のチームが、深圳市宝安区婦幼保健院、深圳大学、上海交通大学、復旦大学などの機関と共同で研究し、そして深圳合成生物研究重要科学技術インフラを利用したものだ。

研究チームは11種の主要な免疫細胞タイプを鑑定するとともに、その各主要タイプの免疫細胞のより細かい分類を行った。最終的に15種のマクロファージを含む56種の免疫細胞亜種を確認し、そしてその時空動的変化軌跡を正確にマップに記述した。

ミクログリアは中枢神経系の最も主要なマクロファージとして、これまでは脳と脊髄にしか存在せず、その他の器官や組織には存在しないと認識されていた。しかし研究チームの観察により、発育期において細胞の形態、特徴的タンパク質の発現、トランスクリプトーム発現プロファイルがミクログリアに良く似た一種の特殊細胞亜群が、中枢神経系以外の複数の組織(表皮、心臓、睾丸を含む)に広く分布していることが分かった。科学研究チームはこれをミクログリア類似体と名付けた。

李氏は、「ミクログリア類似体の発見は、ミクログリアは中枢神経系にしか存在しないという従来の認識を改めることになる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年9月14日

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