「中国地域別科学技術イノベーション評価報告書2023」が発表

14日、中国科学技術発展戦略研究院が作成した「中国地域別科学技術イノベーション評価報告書2023」がこのほど発表されたことが明らかになった。同報告書によると、中国の総合科学技術イノベーション水準がさらに向上した。2023年の全国の総合科学技術イノベーション水準指数は2012年比16.85ポイント高い77.13だった。科技日報が伝えた。

中国科学技術発展戦略研究院技術予測・統計分析研究所の玄兆輝所長は、「上海市、北京市、広東省、天津市、江蘇省、浙江省の6省・直轄市が総合科学技術イノベーション水準で全国をリードしている。中部地域の安徽省や湖北省などの科学技術イノベーション総合力が大きく向上しており、地域協同イノベーション発展の成果がさらに顕在化している。中国のマルチレベルで各々の特色ある地域イノベーション体制がより改善され、高水準の科学技術自立自強及び科学技術強国の建設を力強くサポートしている」と述べた。

総合科学技術イノベーション水準指数によると、全国の31地域は3つのグループに分かれる。

第1グループは、総合科学技術イノベーション水準指数が全国平均水準を上回る6地域だ。23年は上海市、北京市、広東省、天津市、江蘇省、浙江省で、12年の報告書の順位と一致。

第2グループは、総合科学技術イノベーション水準指数が全国平均水準を下回るが、50ポイントを上回る地域だ。23年は湖北省、重慶市、安徽省、陝西省などの15地域で、12年比8地域増。

第3グループは総合科学技術イノベーション水準指数が50以下の10地域で、今年は12年比8地域減。

北京・天津・河北協同イノベーション共同体の建設ペースが加速していることが注目される。北京市の総合科学技術イノベーション水準指数は2位で、天津市は4位、河北省は21位。「北京と天津で研究開発し、河北で実用化」が協同イノベーションにおいて加速的に推進されている。河北省が北京市から受け入れた技術契約額は21年に前年比24.7％増となった。

同時に長江デルタ科学技術イノベーション共同体の建設が安定的に進められている。上海市は総合科学技術イノベーション水準で全国一をキープし、江蘇省は5位、浙江省は6位。

玄氏は、「長江デルタはすでに国内で最も競争力の高い地域共同体になっている。同地域でR&D（研究開発）活動を行う企業数、R&D人員数、企業R&D研究者数、地方財政科学技術経費などの13の指標で全国の30％以上を占めている」と述べた。

粤港澳大湾区（広州、仏山、肇慶、深圳、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門＜マカオ＞両特別行政区によって構成される都市圏）の建設の成果も同様に注目されている。広東省の総合科学技術イノベーション水準指数は86.01ポイントに達し、全国3位で、科学技術活動投入指数と科学技術経済・社会発展促進指数で全国一をキープしている。

また同報告書によると、長江経済ベルトのイノベーションの効果がさらに顕在化している。長江経済ベルト沿線地域で完成した国家自主イノベーションモデルエリアは10カ所で、沿線11省・直轄市の科学技術イノベーション水準が持続的に向上している。黄河流域生態保護及び質の高い発展戦略の深化に伴い、黄河流域の9省・自治区の科学技術イノベーションの投資が持続的に拡大し、新旧の原動力の切り替えが持続的に推進されている。（編集YF）

「人民網日本語版」2023年12月15日