中国のイノベーション能力が総合で10位に
中国科学技術発展戦略研究院が21日に発表した「国家イノベーション指数報告書2022−2023」によると、世界のイノベーション構造はアジア・北米・欧州の三者鼎立を保っており、科学技術イノベーションの中心地が東へ移動する動きがより顕著になっている。中国のイノベーション能力総合順位は10位に浮上し、イノベーション型国家の先頭集団に向かってさらに歩みを進めている。科技日報が伝えた。
同報告書は中国と比較可能な40ヶ国(その研究開発<R&D>費は世界の95%以上、GDPは世界の85%以上)を評価対象として選んだ。イノベーション資源、知識創造、企業イノベーション、イノベーションパフォーマンス、イノベーション環境の5項目で評価指標システムを構築した。
結果によると、今年の中国の国家イノベーション指数総合順位は前年より3ランク上がり世界10位となり、発展途上国として唯一トップ15に入った。国家イノベーション能力が大きく進歩し、2000年の38位から2011年には20位に急浮上し、その後は安定して上昇を続け、10位まで上り詰めた。
国家イノベーション指数の5つのサブ指数を見ても、中国はそれぞれ高いパフォーマンスを示していた。
そのうちイノベーション資源は61.1ポイントで21位。2020年の中国の研究開発費が世界に占める割合は18.5%で、世界2位をしっかりキープし、米国の49%に相当する金額となった。また研究開発人員の数では世界一を維持した。イノベーションパフォーマンスは54.5点で17位。2020年のハイテク産業輸出額が世界に占める割合は34%で1位。イノベーション環境は77.1ポイントで23位で、中国政府のイノベーションへの支援力は世界の先頭集団入りを果たした。
さらに中国の知識創造は83.7ポイントで3位。2020年の中国の高被引用論文数は3万7000編で、世界の23%を占め、米国に次ぐ2位となった。企業イノベーションは41.2ポイントで12位。2020年の企業研究人員1万人あたりのPCT特許出願件数は16位だった。
北米のイノベーション能力が依然として世界で最も高いことには注意が必要だ。米国とカナダの人口が世界に占める割合は4.7%で、GDPは26.8%、研究開発費は39.2%。欧州は全体的に好調で、スイス、ドイツ、フランスなどの26ヶ国の人口が世界に占める割合は9.4%で、GDPは24.9%、研究開発費は23.8%だった。
東アジアと太平洋地域の主要国は好調で、成長の流れが顕著だった。日本、韓国、中国、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドの6ヶ国の人口が世界に占める割合は20.8%で、GDPは27.5%、研究開発費は33.1%だった。
国家イノベーション指数の重要指標の変化は、世界の科学技術イノベーションの重心が徐々に東に移り、アジア諸国の世界のイノベーションにおける地位が持続的に上がっていることを反映した。北米及び欧州諸国のシェアがやや低下したが、世界のイノベーション発展はアジア・北米・欧州の三者鼎立を保っている。
中国科学技術発展戦略研究院技術予測と統計分析研究所の玄兆輝所長は、「米国、日本、韓国、中国には似た特徴がある。つまり政府が科学技術及びイノベーション戦略の国家発展における働きを高度に重視しているという点だ。米国はイノベーションを、経済の持続可能な発展を支え、世界をリードする地位を守るための中核戦略としている。日本は技術立国と知財権立国を重視する発展戦略を実施している。また韓国は研究開発費の高さを維持し、大企業及びグループの特定分野での重点的なブレイクスルーを支援している。そして中国政府はイノベーションを、国家発展戦略の全局面における中心的な位置に据えている」と分析した。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月23日
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