泉州から世界の海を航海した「福船」

人民網日本語版 2024年01月22日10:43

「福船」は、福建省の沿海地域で建造されていた遠洋航海用の木造帆船の総称で、船底部が深く喫水部より上が広く、遠洋航海に適しているという特徴がある。同省泉州市は海のシルクロードの起点として、宋・元の時代には、海洋商業貿易と造船業が空前の繁栄を誇り、全国の造船の中心になった。海のシルクロードを通って北東アジアや東南アジア、インド洋、アラブ地域、東アフリカの沿岸を航海した中国の商船のほとんどが福船だった。

水密区画技術の第11代目の伝承者の林配宗さんは、「福船の最も重要な部分は船底部の竜骨で、丈夫で堅固かつ厚みも十分にある材料が使われており、完成した船舶の船体構造で最も重要なところとなる。これがあるから福船は起き上がりこぼしのように、風や波の試練に耐えることができる」と説明した。

福船の建造で非常に重要な技術の1つに水密区画がある。仕切りの壁で船体内部をいくつかの水密に区切られた区画に分割し、船が浮力を失わないようにし、浸水を防ぐ役割を果たす。

林氏は、「今でも、中国の現代の船舶、たとえば潜水艇や航空母艦などにもすべて水密区画技術が用いられている」としている。

2010年、「中国の水密区画福船建造技術」はユネスコに「急ぎ保護を必要とする無形文化遺産リスト」組み入れられた。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年1月22日

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