ピアノに変わり、エレキギター・エレキベース・ドラムの人気が高まりつつある中国

人民網日本語版 2024年01月26日14:53

ピアノの販売台数が減少していることが中国のソーシャルメディアで最近、大きな話題となっている。

四川省成都市の竜江路でピアノを販売する楽器屋を取材すると、ほぼすべての店のピアノの販売台数が減少していることが分かった。減少幅は最大で50%、小さい場合でも20%だった。中国楽器協会の統計によると、2023年1-9月期、楽器業界の一定規模以上の企業(年売上高2000万元<1元は約20.6円>以上の企業)232社の売上高は前年同期比で21.28%減、利益は同43.35%減だった。業界全体の利益率は6.59%にとどまった。

ピアノを販売して20年以上になるという男性・陸さんは、「以前なら、子供が好きかどうか、ピアノの才能があるかなどにかかわりなく、習わせていた。でも今は、習う必要があるか、経済的余裕があるかなどを考える人が増えた」とする。この点について、ある業界関係者は、「音楽を含めた芸術関連の教育に対して、多くの人は理性的になっている」との見方を示している。

中古ピアノの業界関係者・唐さんは取材に対して、「ピアノの販売台数が減少しているのは、ここ約10年のピアノブームとも関係がある。ピアノを所有している人が増えると、新しいピアノの購入に対するニーズは低下する」とした。

ピアノの販売台数は減少しているものの、エレキギターやエレキベースを販売する楽器屋のオーナーによると、「例年と比べると、エレキギターやエレキベースの売上高は上昇した」としており、「上昇幅は約20%だった。エレキギターやエレキベース、ドラムなどのレッスン生も例年に比べて増えた」という。

「楽隊的夏天(The Big Band)」といったミュージック系バラエティー番組が近年、中国で人気を集めているのを背景に、ロックミュージックが大人気となっている。それに伴い、エレキギターやエレキベース、ドラムなどを習う人が増えているというわけだ。

中国楽器協会の関係者は取材に対して、「エレキギターやエレキベースといった電気楽器は、アコースティック楽器と比べると、確かに新しい文化消費の注目ポイントとなっている。電気楽器は、若者の文化消費心理にマッチしている」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2024年1月26日

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