中国最高性能の分光望遠鏡、青海省冷湖鎮に設置へ

青海省冷湖天文観測拠点が25日、上海交通大学は冷湖天文観測拠点で4.4m口径の大口径多機能分光望遠鏡「交通大学分光望遠鏡（Jiaotong University Spectroscopic Telescope、JUST）」を建設する計画だ。青海省冷湖鎮の賽什騰山に設置されるJUSTは、口径が大きく、集光能力が高く、高速に反応できるなどの優位性がある。プロジェクトは完成後、時間領域天文学、太陽系外惑星の探査、宇宙ネットワークの構造及び進化などの分野において、一連の重大な影響力を持つ画期的な研究成果を取得する見込みだと明らかにした。科技日報が伝えた。

JUSTは賽什騰山の標高4322mのBポイントに設置される。現在最大のドームは標高4200mのCポイントにある口径2.5mの「墨子」サーベイ望遠鏡で、時間領域画像サーベイに用いられる。JUSTは完成後、同望遠鏡と共同で観測を実施する。

計画によると、JUSTは2026年に完成し、稼働開始する。そして計画に基づき宇宙の格子構造、マルチメッセンジャー天文学、太陽系外惑星の探査などの科学目標をめぐり特色分光観測を実施する。JUSTは長期間にわたり中国で最も高性能の分光望遠鏡になり、さらに「墨子」サーベイ望遠鏡及び間もなく打ち上げられる中国スカイサーベイ宇宙望遠鏡（CSST）と緊密に連携し、中国の天文学発展に不可欠な一次観測データを提供する。

JUSTの全体のコンセプトイメージ図、R-C光学システムを採用。メインミラーは18枚のサブミラーを合わせて構成されるもので、口径は約4.4m。メインミラーの中心（グレーの部分）に回転するクーデ鏡を設置し、2つのナスミス焦点の速やかな切り替えに用いる。画像提供は上海交通大学

同望遠鏡プロジェクトは中国科学院南京天文光学技術研究所、中国科学院上海天文台、中国科学技術大学などの機関と協力し、軽量化設計を採用し、複数の分光計を配置することにより、目標源の速やかな切り替えと適時の分光観測を実現できる。プロジェクトは完成後、暗黒宇宙の探査、動的な宇宙の追跡、太陽系外惑星の探査という3つの特色ある研究活動を実施する。（編集YF）

「人民網日本語版」2024年1月26日