円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡が正式に完成

人民網日本語版 2023年09月28日13:31

中国科学院によると、円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡が27日にプロセステストに合格した。同望遠鏡は国家重要科学技術インフラ宇宙環境地上総合モニタリングネットワーク(子午プロジェクト2期)のシンボリックな設備の一つで、中国の太陽物理及び宇宙天気の研究に質の高い観測データを提供することになる。新華社が伝えた。

四川省稲城県の標高3820mの開けた場所に、直径6mのパラボラアンテナ313基が均等に配置され、直径1kmの大円環を形成しており、遠くから見ると高原に置かれた真珠のネックレスのようだ。これが円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡で、現地の住民から「千眼天珠」と呼ばれている。

円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡プロジェクト責任者で、中国科学院国家宇宙科学センター研究員の閻敬業氏は、「太陽が『くしゃみをする』と、地球は『風邪をひく』と言われる。太陽活動によって引き起こされる宇宙環境の短期的な変化は宇宙天気と呼ばれる。宇宙天気の質の高いモニタリングさらには予報は、宇宙や通信などのハイテクシステムの安定運営に対して重要な意義がある」と述べた。

円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡は現在、世界最大規模の総合開口電波望遠鏡で、太陽の各種爆発活動をモニタリングできる上、太陽嵐が惑星間空間に放出されるプロセスをモニタリングでき、太陽爆発のメカニズムと太陽嵐の地球への伝播の法則の理解に役立つ。それにより、太陽活動の地球への影響を予測できる。

プロジェクトチームは建設において、円環アレイ構造と中心測定の全体案を画期的に打ち出すとともに、一連の重要中核技術を確立し、望遠鏡の各種性能が優れているのを保証した。今回のプロセステストにより、円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡は最大視野が太陽の半径の10倍の連続的で安定的な太陽電波イメージング及び周波数スペクトル観測能力を持ち、各種技術指標が設計要求を満たしているか、それよりも優れていることが分かった。

閻研究員は、「太陽活動の観測の他にも、円環アレイ太陽電波イメージング望遠鏡はさらに『中国天眼』『中国複眼』や三亜非干渉性散乱レーダーなどと共同観測を行い、低周波電波スカイサーベイ、パルサー、高速電波バースト、惑星防御モニタリング・早期警報などの分野で重要な役割を果たす見通しだ」とした。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年9月28日

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