中国未来産業シリーズ2:商業宇宙活動は将来の経済発展で最も輝く星

人民網日本語版 2024年02月04日10:31

 編集者付記:習近平国家主席は2023年9月に黒竜江省を視察した際、「新たな質の生産力」のコンセプトに初めて言及した。また23年末に行われた中央経済政策会議では、「科学技術革新によって産業の革新を推進し、特に破壊的技術と先端技術によって新産業、新モデル、新原動力を生み出し、新たな質の生産力を発展させなければならない」と再び強調した。24年になると、各地が新年の活動計画を立てる中で、新産業の育成加速、新たな質の生産力の発展を重要だと位置づけた。

商業宇宙活動は新たな質の生産力の代表として、技術のウェイトが高く、イノベーションによる駆動の要素が豊富であり、毎年この分野では集中的に多くの破壊的技術が出現し、科学技術イノベーションが行われている。

衛星、ロケット、打ち上げ場は宇宙航空産業を構成するハード面の基礎だが、商業宇宙活動の産業チェーンはこれだけにとどまらない。中国の社会・経済の発展にともなって、商用衛星サービスに対する各業界・各分野のニーズも絶えず拡大している。

2023年11月、商用衛星「涪城1号」が四川省綿陽市涪城区のために1枚の衛星写真を撮影した。区の運営チームは写真を利用して区内の中心市街地の建築物とビルの沈下に関するリスクポイント21ヶ所を発見した。

23年末、同区は第三者認証機関と衛星モニタリング技術者とともに、21ヶ所の1つ1つについて現場でチェックを行った。これは同区が衛星リモートセンシング技術を建築物の安全モニタリングに応用した初の試みだ。今後はこれに類似した衛星の応用シーンが人々の生活でたびたび見られるようになることが予想される。

ここ数年、中国では商業宇宙活動がすさまじい勢いで発展し、23年だけで衛星270基が打ち上げられ、そのうち137基は商用衛星だった。専門家は、「今後5年で、軌道を周回する中国の商用衛星は1200基を超えるだろう」と分析する。

商業宇宙活動のイノベーションが推進されるにつれて、その応用シーンは国土調査、利水・治水、林業、農業、電力、緊急管理、環境保護、海洋、気象、スマートシティ建設等を含む数多くの分野に及ぶようになった。

商業宇宙活動の発展という重要なチャンスを着実につかむため、北京、西安、深セン、上海、武漢、寧波など各地が商業宇宙活動の発展促進に関する行動計画や関連政策を次々に打ち出し、宇宙航空の全産業チェーンにおける事業展開を加速させている。

「北京市の未来産業イノベーション発展促進の実施案」、「2023年河南省衛星および応用産業発展活動案」、「2023年成都市衛星インターネットと衛星応用産業のエコ構築・チェーン強化活動要点」などは、どれも商業宇宙活動産業に関する実施計画だ。最近は上海が「上海市の商業宇宙活動の発展を促進し宇宙情報産業の先進地を構築するための行動計画(2023-25年)」を通達して、25年までにロケット、衛星、地上ステーションから端末に至るフルカバーの産業チェーンを構築することを打ち出した。

これからの商業宇宙活動は巨大なブルーオーシャン市場だ。23-28年は中国の商業宇宙活動産業の発展の黄金期になるとみられており、シンクタンクの泰伯智庫は「25年に中国の商業宇宙活動の市場規模は2兆8000億元(1元は約20.6円)に達する」と予測。低コスト、小型化、機能一体化の衛星が新たな発展トレンドになる中で、商業宇宙活動は新たな質の生産力になり、生産力のレベルの飛躍的上昇をもたらし、巨大な衛星網の構築と応用が新たな成長の極を形成し、次世代の情報技術、先端製造、新エネルギー、新材料などの先端技術産業の発展をもたらすことになる。

技術の絶え間ない進歩とコストの段階的な低下にともなって、商業宇宙活動は私たちの生産・生活により多くの便利さと幸福をもたらし、人類が宇宙を探索し宇宙の夢を実現するためにより多くのチャンスと可能性を提供することになるだろう。(編集KS)

「人民網日本語版」2024年2月4日

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