広東省潮汕地区の伝統舞踊「英歌舞」を披露する女性チームが「圧巻」と話題に

人民網日本語版 2024年02月27日09:19

広東省潮汕地区では、春節(旧正月、今年は2月10日)の頃になると、軽快なリズムを刻む打楽器の音に合わせた伝統舞踊「英歌舞」がお祝いムードを高める。演劇や舞踊、武術が一体となった民間舞踊である「英歌舞」は中国古典文学の「水滸伝」を題材にしており、300年以上の歴史を誇る。また、2006年には、汕頭市潮陽区の「潮陽英歌」が、第一陣の中国国家級無形文化遺産リストに組み込まれた。潮汕地区の「英歌舞」のパフォーマンスは旧暦の1月末まで披露され、ネットユーザーの間では、「お祝いムードを高めてくれる最強グループ」と称されている。中央テレビニュースが報じた。

今年の春節期間中、「英歌舞」は中国で再び大きな話題となっただけでなく、その人気が英国ロンドンにまで波及。わずか6分の「英歌舞」のストリートパフォーマンスを見ようと、数十万人が詰めかけた。

潮汕地区では、「英歌舞」のパフォーマンスがあるたびに、街中は観客で大混雑となるほか、住宅の屋根も「立ち見客」でいっぱいとなる。遠い地域からわざわざ車を走らせて見に来る人もおり、街中は圧巻のお祭りムードが漂う。なかでも汕頭市潮陽区の西門女性「英歌」チームは、軽快なステップを踏んで、颯爽とした動きで「英歌舞」を踊り、圧巻のパフォーマンスを披露してくれる。「頭槌」と呼ばれるリーダーの鄭梓欣(15)さんは仲間と一緒に、若々しい笑顔と、颯爽とした動きで、数多くのネットユーザーの心を鷲掴みにしている。

「英歌」チームは36人、72人、108人などで構成されている。ダンサーは両手に「英歌槌」と呼ばれる棒を持っており、打楽器の音や掛け声に合わせて、それを操りながら踊り、前へと進んでいく。

無形文化遺産に認定されている「潮陽英歌舞」の市級伝承人・陳坍鵬さんが演じているのは「水滸伝」に登場し、先頭に立ち、様々な工作活動を行う人物である「時遷」で、チームの「精神的柱」となる。その後ろに、「頭槌」、「二槌」、「三槌」、「四槌」が続き、さらには「水滸伝」の登場人物である「李逵」、「関勝」、「魯智深」、「武松」が続き、最後に「梁山泊に身を隠した108人の剛の者」が順次登場して、隊形をどんどん変えながらパフォーマンスを披露するという。

潮汕地区の多くの鎮や街道(エリア)に「英歌舞」チームがあり、汕頭の潮陽区だけでも100チーム以上ある。パフォーマンスに参加するダンサーの衣装はカラフルで、その動きはエネルギッシュで豪快。見る人をワクワクさせる。

以前、「英歌舞」チームのメンバーは男性が多かったものの、少しずつ男女、年齢の制限がなくなり、たくさんの女性がそこに加わるようになった。女性が披露する「英歌舞」は、豪快な男性のそれとは違い、女性ながら父親の代わりに従軍した「花木蘭の従軍」や女将軍として有名な「穆桂英挂帥」などを題材にして、「優しさの中に強さがある」女性を表現している。

西門女性「英歌」チームのメンバーは、隈取ではなく、肌色をベースとしたメイクで「団結」や「男性に負けない」という思いを込めて額に炎のマークを入れている。またその衣装は京劇において武芸に優れた女性役である「刀馬旦」のような赤と緑の衣装で統一している。そして花木蘭を演じる場合は赤い衣装を、穆桂英を演じる場合は緑の衣装を着用しているという。女性が踊る「英歌舞」にも男性の基本的な足の動きが取り入れられているほか、伝統演劇・舞踊の足の動きも組み入まれ、軽快かつリズミカルな動きで、颯爽としたパフォーマンスとなっている。

鄭さんは、「男性が元々していたことを、女性もするようになって、とても誇りに感じる。『英歌舞』が注目されるようになり、多くの人に応援してもらっていることに感謝している。西門女性『英歌』チームも常に最高のパフォーマンスができるように取り組んでいる」とした。 (編集KN)

「人民網日本語版」2024年2月27日

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