AIによるスイカ選びは正確か?
このほど、AI(人工知能)ツールでスイカを選ぶ動画を投稿し、「熟したかどうかが分かる」とするネットユーザーがいる。記者が中国の3種類のAI基盤モデルを使い、スーパーでスイカを選んだところ、明確な答えを示したのは1種類のみだったことが分かった。AIが選んだスイカは人が選んだものより美味しいのだろうか。テストを行った人の意見が割れているが、関連の研究開発者によると、AIツールは確かにスイカ選びをアシストできるという。武漢晩報が伝えた。
5月24日、阿里巴巴(アリババ)が運営する生鮮スーパー「盒馬鮮生」の実店舗でスイカを購入した。まずスイカの写真を撮り、そして写真のスイカに番号をつけ、さらに番号をつけたスイカを中国の3種類のAI基盤モデルにアップロードし、「甘いスイカを一つ選んでほしい」とリクエストを送った。
その結果、「8番」という明確な答えを出したAIツールは「通義」だけだった。その理由は、「熟度が高そうで、形が整っている上、表皮の色が鮮やか」だ。その他の2種類のツールはいずれも、「どのスイカが最も甘いか判断もしくは決定することができない」としたが、スイカ選びのアドバイスをしてくれた。一方、記者はスイカの皮を観察してから、模様がはっきりしている「6番」を選んだ。
スイカを切ると、記者が選んだ「6番」は果肉が色鮮やかで、皮が薄く種が多かった。AIが選んだ「8番」もなかなかで、白い種が比較的多かった。記者は4人の同僚を招き感想を求めたところ、2人は「6番」のほうが美味しく、鮮度がよく、よりみずみずしいと述べた。1人はAIが選んだ「8番」が好みで、食感が良いとした。また「違いはなかった」という回答者もいた。
AIによるスイカ選びは果たして信頼できるか。湖北省武漢市のAI研究開発機関のエンジニアである姚氏は取材に、「基盤モデルの画像処理能力はスイカの色、模様、斑点、傷跡などの外観の情報をキャッチできる。そしてインターネット上には外観と味の関係を記述するコーパスがある。基盤モデルは外観と既存の知識により最も美味しいスイカを推測できる」と述べた。
「しかし基盤モデルでは手触りの情報が得られず、その答えは必ずしも正確ではない」と姚氏は付け加えた。さらに、一部のツールが明確な答えを示せなかったことについては、「あるモデルの裏側には独立した画像モデルと文字モデルがあり、あるモデルはトレーニング中に画像やテキストなどの異なるモーダルのデータを融合するため、トレーニングの結果が異なることがある。事前に大量のトレーニングを行うことで初めて、基盤モデルは画像情報と意味の関係をより良く構築できるようになる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年6月13日
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