中国の科学者、「摩擦ゼロ」の氷を作成

人民網日本語版 2024年06月17日13:23

北京大学物理学院量子材料科学センター、北京懐柔総合的国家科学センター軽元素量子材料クロスプラットフォームの教授である江穎氏は14日、取材に対し、「グラフェンなどの特定の材料上で氷結させ、1つか2つの分子層だけを成長させれば、二次元の氷と呼ばれるものになり、氷と材料の表面の間の摩擦力が消滅する」と述べた。これに関連する研究成果は同日、世界トップクラスの学術誌「サイエンス」に掲載された。科技日報が伝えた。

チームがこのほど独自に研究開発した原子レベル分解能走査型プローブ顕微鏡により、個々の原子もしくは分子が積み木のように正確に移動され再構築されることができる。江氏は、「研究者はこの技術のサポートにより、まず銅の表面のグラフェンと窒化ホウ素の基質上に二次元の氷を成長させた上、二次元の氷のミクロ構造を直接観察した」と説明した。

論文の共同筆頭著者で、北京大学物理学院量子材料科学センターの博士である趙正朴氏は、「摩擦力測定を行う二次元の氷は2万個以上の水分子からなっており、積み木と同じく、面積が広いほど薄く脆くなる。その安定的で正確な操作と摩擦力の測定は容易なことではない。そのためチームは実験を繰り返し、特殊形状の針先を作り、二次元の氷の非侵襲的水平方向操作を行うことができる上、針先と氷の相互作用エネルギーを測定することで、二次元の氷と基質間の摩擦力を推算した。その結果、グラフェン表面のサイズが比較的大きい二次元の氷の静止摩擦係数は0.01以下で、つまりほぼ理想的な摩擦ゼロの状態に近づいた」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年6月17日

注目フォトニュース

関連記事